群雄割拠の国産コンパクトを比較!アクア、ヤリス、ノート、フィットの選び方、お買い得グレードは?

アクア、ヤリス、ノート、フィットの選び方、お買い得グレードは?
  • アクア、ヤリス、ノート、フィットの選び方、お買い得グレードは?
  • トヨタ アクア
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  • トヨタ ヤリスハイブリッド
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  • 日産 ノートオーラ NISMO
  • 日産 ノートオーラ
  • ホンダ フィット e:HEV

2020年から2021年に掛けて、コンパクトカーの新型車が数多く登場した。人気のカテゴリーとあって、各車種とも売れ行きは好調だ。そこで主要車種の特徴やメリットを販売ランキング形式でガイドしたい。

第1位:トヨタ アクア(2021年8~11月の1か月平均登録台数:約8900台)

トヨタ アクアトヨタ アクア

買い得グレード:Z(240万円)

コンパクトカーの登録台数1位はトヨタ『アクア』だ。ほかの3車種とは異なり、ノーマルエンジンを用意しないハイブリッド専用車だが、販売ランキングの1位になった。現行型にフルモデルチェンジされた後の2021年8月から11月には、1か月平均で約8900台が登録されている。

アクアは『ヤリスハイブリッド』と基本部分を共通化しているが、内装の質を高めた。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も50mm長い2600mmだから、後席の足元空間に余裕が生じて4名で乗車した時の居住性も上まわる。

さらにバイポーラ型ニッケル水素電池を採用したこともあり、ハイブリッドシステムは実用回転域の駆動力を高めた。遮音性能を向上させて、ノイズも小さい。足まわりの設定を変更して、ホイールベースを伸ばしたから、走行安定性と乗り心地のバランスも向上している。

装備も充実させた。「Z」グレードの場合、ほかの車種でオプション設定にすることの多いアルミホイール、災害時にも役立つ100V・1500Wの電源コンセントなどを標準装着した。Zの価格は240万円だが、これらの装備が仮にオプションとすれば230万円になる。このように買い得感も強い。

第2位:トヨタ ヤリス(2021年1~11月の1か月平均登録台数:約8300台)

※SUVのヤリスクロスとスポーツモデルのGRヤリスを除く

トヨタ ヤリスハイブリッドトヨタ ヤリスハイブリッド

買い得グレード:ハイブリッドZ(232万4000円)

日本で購入可能な4輪車の中で、最も燃費性能の優れた車種がヤリスハイブリッドだ。WLTCモード燃費は、「X」では36.0km/リットルに達する。特に昨今のように燃料価格が上昇している状況では、維持費の節約効果は一層強まる。

またヤリスハイブリッドはボディが軽く、車両重量は最上級の「Z」でも1090kgに収まる。動力性能に余裕があり、モーター駆動と相まって、加速性能が優れている。

操舵に対する反応も機敏だから、峠道などをスポーティに走れる。

第3位:日産ノート+ノートオーラ(2021年1~11月の1か月平均登録台数:約7400台)

日産 ノート 新型日産 ノート 新型

買い得グレード:ノートX(218万6800円)

日産『ノート』と上級の『ノートオーラ』は、日本国内向けに開発されたコンパクトカーで、パワーユニットはハイブリッドのe-POWERのみを搭載する。e-POWERでは、エンジンは発電機を作動させ、モーターがホイールを駆動する。モーターの特性としてアクセル操作に対する反応が機敏で、加速も滑らかだ。

またインパネなど内装の仕上げもていねいで、前後席ともに居住性も満足できる。

特に上級シリーズのノートオーラは、価格が高まる代わりに装備も充実する。装備の違いを補正すると、ノートオーラが内外装の質感、モーターの動力性能、走行安定性を高めた対価は約16万円に収まる。

従って一般的な買い得グレードは「ノートX」だが、LEDヘッドランプ、運転支援機能のプロパイロット、アルミホイールなどをオプション装着したいユーザーは、ノートオーラに上級化することも考えたい。ノートにオプション装備を加えていくと、合計価格がノートオーラに近付くからだ。

そしてノートオーラでは、「G」に8万9100円を加えると、本革シートと後席アームレストを装着した「Gレザーエディション」を購入できる。

さらにGレザーエディションに17万500円をプラスすると、エアロパーツ、専用開発された足まわり、専用アルミホイール&タイヤ、専用インテリアなどを採用する「NISMO(ニスモ)」が手に入る。つまりノートオーラは、上級グレードほど買い得になっていく。

第4位:ホンダ フィット(2021年1~11月の1か月平均登録台数:約4900台)

ホンダ フィット e:HEVホンダ フィット e:HEV

買い得グレード:e:HEVホーム(211万7500円)

全長が4000mm以下、全高も立体駐車場を使いやすい1550mm以下に抑えたコンパクトカーの中で、最も広い居住空間を備える車種がフィットだ。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には握りコブシ2つ半の余裕がある。この広さはミドルサイズセダン並みだ。

また燃料タンクを前席の下に搭載したので、後席は床面へ落とし込むように小さく畳める。そのためにボックス状の広い荷室に変更できる。

フロントピラー(柱)の形状を工夫して、インパネの上面も平らに仕上げたから、斜め前を含めて前方視界は良好だ。サイドウインドーの下端を低めに抑えた水平基調の外観により、側方や後方の視界も優れている。混雑した街中や駐車場でも運転しやすい。

ハイブリッドのe:HEVは、主にエンジンが発電機を作動させ、駆動はモーターが行うから、加速が滑らかでノイズも小さい。しかも高速道路の巡航時には、エンジンが直接駆動して、燃料消費量を抑える制御も行う。

フィットの売れ行きは4位だが、機能や装備と価格のバランスによる買い得度は1位になる。ノーマルエンジンとe:HEVの価格差も、ホームの場合は34万9800円に抑えた。従ってe:HEVは特に割安だ。

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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