フォルクスワーゲングループジャパンは7月3日、日本市場におけるフォルクスワーゲン・ブランドの中期戦略・導入戦略を発表した。フォルクスワーゲンジャパンはBEV:フル電気自動車とICE:内燃機関自動車との「2ピラーストラテジー(2本柱戦略)」を推進していく。
7月3日に開催された記者会見でフォルクスワーゲンジャパンのブランドディレクター、アンドレア・カルカーニ氏は「フォルクスワーゲンは“ピープルズカー”だ。2024年以降やるべきことは日本の顧客に応えること。“Love Brand”になることをめざす」と述べた。
◆BEV:フル電気自動車とICE:内燃機関自動車
ピープルズカーとして、幅広いモデルに先進技術や高品質を展開し、パワートレインの多様な選択肢を用意する。日本市場では、環境性能を高めたICE搭載モデルと、BEVの「IDファミリー」の「2ピラーストラテジー(2本柱戦略)」を推進していくという。
フォルクスワーゲンでは、2022年に日本発表したフル電動SUVの『ID.4』に加え、2025年にはID.シリーズ第2弾となるミニバン『ID. Buzz』の導入を予定している。カルカーニ氏によると、さらに2026年以降、『ID.2all』スタディの市販仕様が登場する計画だ。これは『ポロ』サイズのコンパクトカーになるという。
また日本市場での販売強化を意図し、2024年下期から新型車5モデルの販売活動を開始する。導入されるのは『Tクロス』改良新型、『ティグアン』新型、『パサート』新型、そして『ゴルフ/ゴルフ・ヴァリアント』改良新型で、記者会見で同時に発表された。Tクロスの予約受注を7月6日に開始するのを皮切りに、受注と発売は順次。
新モデル攻勢の狙いについてカルカーニ氏は「成長しているコンパクトSUV市場に新製品を投入して、販売の基盤を強化する。そしてブランドのアイコンモデルの再活性化を図る」と説明する。例えばティグアンはプレミアム感を増して、存在感を高めた。パサートでは、従来あまり対応してこなかった法人需要も取り込という。ゴルフでは「2025年以降、輸入車台数1位を獲得したい」とする。

◆新型5モデルを日本市場に投入
日本市場での販売強化を目指し、2024年下半期より販売活動を開始し、順次出荷を開始するの次の5車種。
●Tクロス改良新型
Tクロスは、充実した先進安全装備や日本の道路環境でも扱いやすいボディサイズと実用性の高さが評価され、2020年の日本導入から3年連続で輸入SUV登録台数No.1(フォルクスワーゲンジャパン調べ)を獲得している。初めてのマイナーチェンジでは、安全性を向上させ、カラフルな新色3色を含む全8色のラインナップを設定し、内装も質感をに向上させた。7月6日より予約注文受付を開始し、9月下旬以降の出荷開始を予定している。
●ティグアン新型
ティグアンは2007年に初代モデルを導入して以来、全世界で760万台以上を販売している。7年ぶりのフルモデルチェンジとなる3世代目の新型は、MQB evoアーキテクチャーを採用し、1.5L eTSIマイルドハイブリッドシステム(FWD)と2.0TDIクリーンディーゼルエンジンにフルタイム4WDシステム4MOTIONを組み合わせたラインナップだ。9月より予約注文の受付を開始し、11月以降に出荷を開始する予定だ。
●パサート新型
パサートは1973年の発売以来、50年以上の歴史を誇るロングセラーで、3400万台以上が販売されてきた。9年ぶりにフルモデルチェンジされた9世代目の新型は、「MQB evo」アーキテクチャーを採用し、ボディを拡張して後席の居住性を向上させ、荷室もクラス最大級の積載能力を有する。パワートレインは1.5L eTSIマイルドハイブリッドシステム(FWD)と2.0TDIクリーンディーゼルエンジンに加え、EVモードで120km以上走行可能なプラグインハイブリッドをラインナップしている。9月より予約注文の受付を開始し、11月以降に出荷開始を予定している。
●ゴルフ/ゴルフ・ヴァリアント改良新型
1974年のデビュー以来50年間進化を続けてきたフォルクスワーゲンのベストセラーモデル。3年ぶりのマイナーチェンジとなるゴルフ/ゴルフ・ヴァリアントは、インフォテイメントシステムを刷新し、内外装をブラッシュアップした。パワートレインは2種類の出力をもつ1.5L eTSIエンジンと2.0TDIエンジンがラインナップされ、スポーツグレード「GTI」には2.0TSI 195kW/265PSエンジンが搭載される。9月より受注活動を開始し、2025年1月以降に出荷開始を予定している。
