3度目の緊急事態宣言発出…JRと関西圏私鉄・公営交通の対応

4月23日、大阪駅
  • 4月23日、大阪駅
  • 4月26日、東京都内
  • 4月29日から再びカフェテリアの営業が休止される『サフィール踊り子』。車内販売も行なわれない。
  • 食事と飲料を提供する列車のみ営業を休止するグランクラス。JR東日本では切符購入済の旅客に対して通常のグリーン車への変更を呼び掛けている。
  • 5月1日から発出中の土休日は営業を休止する京阪のプレミアムカー。写真は8000系のプレミアムカーと専属アテンダント。
  • 4月25日から休館している京都鉄道博物館。

4月25日、東京、京都、大阪、兵庫の4都府県に対して3度目の緊急事態宣言が発出されたことを受けて、関係する各鉄道事業者が対応に追われている。

JRグループでは、JR東日本が3月26日に再開した飲料・食事を提供する新幹線「グランクラス」の営業を4月29日運行分から再び中止する。

期間は当面の間としており、北海道新幹線を運行するJR北海道や北陸新幹線上越妙高~金沢間を運行するJR西日本でも同様の措置が採られる。

在来線では、東京~伊豆急下田間の特急『サフィール踊り子』のカフェテリア営業と車内販売も再び休止される。

JR西日本では、4月28日から宣言解除まで大阪環状線で終電繰上げが追加実施され、天王寺駅(大阪市天王寺区)では内・外回りとも終電が23時台となる。また、日中時間帯の列車については、一部の普通列車も減便する。

緊急事態宣言の対象地域以外では、 「まん延防止等重点措置」が適用されている愛媛県内を走るJR四国の観光列車『伊予灘ものがたり』で、4月29日~5月9日の設定分がすべて運休となる。

一方、京都・大阪・兵庫の3府県を営業エリアに持つ私鉄や公営交通では、次のような対応を発表している。いずれも終電繰上げや減便を追加することがおもな内容。

■京阪電気鉄道(京都府・大阪府)/4月30日~宣言解除の間、京阪線で終電繰上げを実施。5月1日から発出中の土休日は、京阪線を20%程度減便した特別ダイヤで運行し、特急の「プレミアムカー」はすべて営業休止。

■近畿日本鉄道(京都府・大阪府)/4月29日から当面の間、大阪・奈良・京都・南大阪の各線で終電繰上げを実施するほか、大阪難波~近鉄奈良間の特急は、4月29日~5月5日の土休日に運行する列車がすべて運休となる。また、大阪メトロ中央線と相互直通運転を実施しているけいはんな線では、4月29日~5月9日の土休日、9~17時台に生駒駅(奈良県生駒市)を折り返す24本が減便される。

■京都市営地下鉄(京都府)/宣言解除まで終電繰上げを実施中。烏丸御池(からすまおいけ)駅(京都市中京区)の終電は烏丸線、東西線ともに55分繰り上げた23時発となり、23時以降に京阪京津線から乗り入れる列車は、御陵(みささぎ)駅(京都府山科区)での降車扱いのみとなる。土休日は2割程度減便。

■叡山電鉄(京都府)/4月30日から宣言解除まで終電繰上げを実施。土休日の9~18時頃は20分間隔の運行に。

■京福電気鉄道(京都府)/4月29日~宣言解除の間、終電繰上げ。

■大阪市高速電気軌道(大阪府)/4月29日~5月9日に実施。土休日ダイヤの9時~終電の間を2割程度減便。ただし、御堂筋線では10~16時に5割程度減便。

■南海電気鉄道(大阪府)/4月29日から当面の間、南海線と高野線で終電繰上げ。特急『ラピート』の減便を継続。

■大阪高速鉄道(大阪府)/4月29日~5月9日、千里中央~門真市間で16~18時台の一部列車を減便。

■阪堺電気軌道(大阪府)/4月29日~当面の間、土休日ダイヤの減便を実施。

■阪神電気鉄道(大阪府・兵庫県)/4月29日~大阪府・兵庫県の宣言解除の間に実施。平日は山陽電気鉄道(山陽)との直通列車のうち、7本を行先変更、1本を減便。近鉄との直通列車では2本の行先変更を実施。土休日は大阪梅田発尼崎行き急行12本を減便。

■山陽電気鉄道(兵庫県)/4月29日~兵庫県の宣言解除の間、本線で終電繰上げと減便、行先変更を実施。

■神戸市営地下鉄(兵庫県)/西神・山手線で4月28日から平日の終電を30分程度繰り上げるとともに、4月29日から土休日22時以降を2割程度減便。

■神戸電鉄(兵庫県)/4月29日~宣言解除の間、行先変更による終電繰上げを実施。

なお、鉄道事業者以外では、京都鉄道博物館(京都市下京区)が5月11日まで臨時休館している。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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