京都市の叡山電鉄(叡電)は2月10日、国土交通省近畿運輸局に対して鉄道線旅客運賃の上限変更認可申請を行なったと発表した。改定は4月1日を予定しており、実施運賃は認可後に同額で設定する予定。
同社は1995年4月以来、消費税転嫁を除いて運賃改定を行なっていなかったが、「昨今激甚化している自然災害への対応、エネルギー価格の高騰、今後も続くとされる生産年齢人口減やテレワークの浸透による輸送人員の減少により、現行運賃のままでは今後の鉄道事業運営は困難である」として改定に踏み切ることになった。

全体の平均改定率は5.6%で、改定後は普通運賃が1~3区で各10円、4区で30円、5区で40円のアップとなる。定期運賃は平均割引率が通勤用は0.2%、通学用は0.5%のダウンとなり、平均改定率は5.3%となる。
叡電では改定の増収により、4月1日から「茶山・京都芸術大学」に改称される茶山駅(京都市左京区)にスロープを設置するほか、老朽化した自動券売機や自動改札機、ICチャージ機の計画的な更新、車両改修工事、軌道改良工事、信号設備関係工事、変電所機器更新を行なうとしている。


なお、運賃改定と同時に京阪電気鉄道(京阪)本線・鴨東線の祇園四条~神宮丸太町間各駅と叡山電鉄本線の元田中~修学院間各駅との間を出町柳駅(京都市左京区)で相互に乗り継ぐ場合に、京阪、叡電双方の所定運賃から大人10円、子供5円を割り引く乗継割引を廃止するとしている。