京都の叡電が28年ぶりに運賃改定へ…出町柳での乗継割引も廃止 4月1日予定

1987年に登場したデオ700形。叡電では運賃改定後、製造から30年以上を経た車両を対象に順次改修を図り、2023年度は2両、2024・2025年度は各1両を施工する予定。
  • 1987年に登場したデオ700形。叡電では運賃改定後、製造から30年以上を経た車両を対象に順次改修を図り、2023年度は2両、2024・2025年度は各1両を施工する予定。
  • 現行運賃と申請されている上限運賃(改定後運賃)の比較。
  • 4月1日に「茶山・京都芸術大学」に改称される茶山駅。京都芸術大学に近いため、大学名が併記されることに。
  • 「茶山・京都芸術大学」駅の駅名標イメージ。

京都市の叡山電鉄(叡電)は2月10日、国土交通省近畿運輸局に対して鉄道線旅客運賃の上限変更認可申請を行なったと発表した。改定は4月1日を予定しており、実施運賃は認可後に同額で設定する予定。

同社は1995年4月以来、消費税転嫁を除いて運賃改定を行なっていなかったが、「昨今激甚化している自然災害への対応、エネルギー価格の高騰、今後も続くとされる生産年齢人口減やテレワークの浸透による輸送人員の減少により、現行運賃のままでは今後の鉄道事業運営は困難である」として改定に踏み切ることになった。

現行運賃と申請されている上限運賃(改定後運賃)の比較。現行運賃と申請されている上限運賃(改定後運賃)の比較。

全体の平均改定率は5.6%で、改定後は普通運賃が1~3区で各10円、4区で30円、5区で40円のアップとなる。定期運賃は平均割引率が通勤用は0.2%、通学用は0.5%のダウンとなり、平均改定率は5.3%となる。

叡電では改定の増収により、4月1日から「茶山・京都芸術大学」に改称される茶山駅(京都市左京区)にスロープを設置するほか、老朽化した自動券売機や自動改札機、ICチャージ機の計画的な更新、車両改修工事、軌道改良工事、信号設備関係工事、変電所機器更新を行なうとしている。

4月1日に「茶山・京都芸術大学」に改称される茶山駅。京都芸術大学に近いため、大学名が併記されることに。4月1日に「茶山・京都芸術大学」に改称される茶山駅。京都芸術大学に近いため、大学名が併記されることに。
「茶山・京都芸術大学」駅の駅名標イメージ。「茶山・京都芸術大学」駅の駅名標イメージ。

なお、運賃改定と同時に京阪電気鉄道(京阪)本線・鴨東線の祇園四条~神宮丸太町間各駅と叡山電鉄本線の元田中~修学院間各駅との間を出町柳駅(京都市左京区)で相互に乗り継ぐ場合に、京阪、叡電双方の所定運賃から大人10円、子供5円を割り引く乗継割引を廃止するとしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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