大阪・関西万博の開催まで、あと600日ほどになった。直近の情報では海外パビリオンの建設の遅れなど、いくつかの問題は起きているようだが、現地では万博以外にも、さまざまな分野で活性化のためのプロジェクトが進んでいる。
◆活性化や利便性向上のためのプロジェクト
2001年には、「水都大阪の再生」が国の都市再生プロジェクトに採択されたことを契機に、かつて水運に支えられて経済や文化が発展してきた「水の都」を取り戻すべく、都心部をロの字に廻る「水の回廊」を中心に船着き場の整備、護岸や橋梁のライトアップなどが進められている。

大阪市の二大繁華街キタ(梅田)とミナミ(難波)を結ぶメインストリート御堂筋は、完成100周年にあたる2037年を目標に、全面歩道化を構想している。すでに一部の区間で側道が閉鎖され、幅広い歩道および自転車レーンに姿を変えており、南海電気鉄道なんば駅前広場は歩行者空間とすべく車両通行止めになった。

公共交通網の整備も進んでいる。2009年には阪神電気鉄道なんば線が開通して、阪神と近畿日本鉄道が大阪難波駅でつながり相互直通運転を始め、2008年に一部区間が開通していたJR西日本(西日本旅客鉄道)おおさか東線が2018年には新大阪駅、今年は大阪駅に乗り入れるなど、利便性が向上している。
このあと大阪駅とJR難波駅・南海新今宮駅を結ぶなにわ筋線も2031年春に開業予定で、新幹線のターミナル新大阪と関西国際空港が直結することになる。
◆オンデマンド交通の社会実験をスタート
そんな大阪では、ハードだけではなくソフトの対策、つまりMaaSへの取り組みも進んでいる。こちらを主導する立場にあるのが、2017年に民営化されることで誕生した大阪メトロ(Osaka Metro、大阪市高速交通軌道)だ。