昨年の4月—12月期決算を通して、各社の通期業績予想をまとめてみた。
国内市場はピークの1990年の4分の3規模。自動車メーカー各社の海外依存度の高さは、ますます鮮明になっている。もっとも、米国市場一辺倒の状況から様相は変わりつつあり、各社間で業績の跛行性(はこうせい。差)が目立ち始めている。
乗用車メーカーで通期業績予想を上方修正したのは、ホンダとスズキ、ダイハツ工業の3社。7社は過去最高益を更新する見通しだが、三菱自動車工業、富士重工業(スバル)は苦戦を強いられている。
●乗用車7社が過去最高益更新へ
トヨタ自動車は通期業績見通しを発表していないが、『マークX』や『アイシス』などの新型車が好調で、通期の世界販売台数を729万台(前期比8%増)と従来予想から7万台上方修正した。通期の業績予想は公表していないが、過去最高益更新は堅いとみられる。
ホンダは連結純利益を減益予想から大幅に上方修正。従来予想から330億円の上積みで、一転して過去最高益を更新する見込みだ。北米市場での苦戦を欧州、アジアの伸びがカバーし、二輪事業も販売台数を大幅に伸ばしている。
日産自動車は『ティーダ』『フーガ』などの新車が貢献し、10−12月期に限定すると、世界販売台数でトヨタ(8%増)、日産(9%増)を上回る13%の伸びを示している。新型車6車を投入した効果で、国内市場も好調。通期業績予想は据え置いたが、通期の純利益は過去最高の5100億円(前期比1%増)を見込んでいる。
マツダは、4−12月期は欧州で『マツダ3』(日本名『アクセラ』)などの販売が14%増と好調で、一方米国市場はSUV、トラックが低調だった。国内は微増で、当初予想通りの経常利益740億円を達成する見込みだ。
●乗用車7社が過去最高益更新へ
●悪化2社に光明が見えた
●軽自動車は好調続く
●海外市場はもはや不可分
●上方修正トラック3社、実は明暗分かれる