三菱『デリカミニ』がフルモデルチェンジ!「やんちゃ坊主」感アップ、走りも三菱らしく進化

三菱 デリカミニ 新型
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  • 三菱 デリカミニ 新型(左)と従来型(右)のフロントマスク
  • 三菱 デリカミニ 新型と従来型
  • 三菱 デリカミニ 新型(左)と従来型(右)のフロントマスク
  • 三菱 デリカミニ 新型の開発エンジニア

三菱自動車は22日、軽スーパーハイトワゴン『デリカミニ』をフルモデルチェンジすると発表した。親しみやすいフロントマスクや、三菱の強みである4WD技術などで人気のデリカミニが、登場から2年少々で2代目となる。

◆「キャラ立ち」で販売好調のデリカミニ

現在軽乗用車市場は年間およそ150万台規模で安定的に推移。そしてデリカミニが属する「スーパーハイトワゴン」セグメントは、その中の約4割以上、年間60万台規模と最も大きなボリュームを占め、こちらも安定した需要が見込まれている。最近の傾向はアウトドアスタイルのスーパーハイトワゴンが登場し、徐々にラインナップが拡大。デリカミニもその1台である。

そのデリカミニは、「デザインを中心にその商品性がお客様に高く評価されていると同時に、『デリカ』ネーミングの活用、また“デリ丸。”を中心に効果的なテレビCMなどのプロモーションなどが功奏し、販売台数も(従来の)eKクロススペースに対して4倍の台数を獲得している」と状況を説明するのは開発責任者の三菱商品戦略本部チーフ・プロダクト・スペシャリストの藤井康輔氏だ。

三菱 デリカミニ 新型(左)と従来型(右)のフロントマスク三菱 デリカミニ 新型(左)と従来型(右)のフロントマスク

ユーザー層も、「若いファミリー層や女性など前モデルでは獲得しきれなかった層に多く乗っていただいており、そこも販売台数の増加につながっている」と分析した。

そこで新型では、「現行デリカミニの好評部分は継続して採用し、そこに加え、三菱の乗用車らしさの拡大、時代とともにニーズが高まっている先進機能を大幅に進化させることで、商品の魅力向上させた」と述べ、商品コンセプトを、「進化したアクティブな頼れる相棒」とし、ターゲットカスタマーは、「気軽にアウトドアを楽しみたい家族」と定義された。

◆キープコンセプトながら“やんちゃ感”アップ

三菱 デリカミニ 新型三菱 デリカミニ 新型

新型の商品特徴は大きく3つ。まず、特徴的で親近感のあるスタイリング、2つ目は広くて便利で快適な室内空間、そして、運転のしやすさと走行性だ。

デザインに関して、エクステリアデザイン担当した同社デザイン本部デザイン・戦略部デザインマネージャー(エクステリアデザイン担当)の後藤淳氏は次のように説明する。

「デザインコンセプトは“デイリーアドベンチャー、日常に冒険を#2”とした。好評な現行の良いところをさらに高めるという意味」だとし、具体的には、走破性とアウトドアの表現したギア感。厚みと塊感のあるボディと守られ感のあるインテリアの安全感。そして、親近感として親しみやすい“やんちゃ”なキャラクターをコンセプトにした。

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特に半円形のヘッドライトシグニチャーは踏襲しながら、「より視認性を向上させると同時に、デリカミニとしてやんちゃでキュートなキャラクター性をさらに高めた」。また、フロントグリルの三菱マークあたりにレーダーを収め検知性能を向上させた。後藤氏は、「検知性能を犬に例えるなら嗅覚。これもデザインの特徴として取り入れた」と語る。

サイドシルエットはフロントウィンドシールドの上端上側を100mm前方に出しでウィンドウを立てることで、広くルーミーな室内空間を実現している。

◆三菱ならではのギア感を表現したインテリア

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インテリアについて同社デザイン本部デザイン・戦略部デザインマネージャー(インテリアデザイン担当)の小池矩仁彦氏は、「デリカミニのために専用のデザイン開発を行った」と語り、「三菱ならではのギア感を表現した、機能的で高品質なデザインを目指した」と話す。

インパネ周りの特徴は、大型モノリスディスプレイを採用することで、先進感の表現と、見やすさ、使い勝手も向上。また、グリップ形状をモチーフとしたインパネトレイのデザインや、テレインダイヤルを代表とする各パーツは、「ギア感を高めたデリカミニらしい特徴的なデザイン」とした。

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また、「冒険心を借り立てる触感ということで、質感にもこだわった」と小池氏。「直接手に触れるパーツには質感のある巻物を採用。インパネセンターに配置したテレインダイヤルには高機能でしっかりとしたグリップできるデザインで、ドアトリム回りには編み込みパターンを入れて高級感を高めた」。

シートは、「ソファーからインスピレーションしたふっくらとしたブロック調のエンボスが特徴で、グランピングコテージのようなリラックス感が味わえるデザイン」だ。特にリアシートは、「足元まで伸びた厚みのあるシート形状により、本物のソファーのようにゆったりとくつろいでもれるだろう」(小池氏)と述べた。

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◆便利機能も様々搭載

室内空間には、12.3インチのインフォテインメントシステムおよび7インチの液晶メーターが一体となった大型のディスプレイを採用。このインフォテインメントシステムには、三菱として国内初のGoogle機能が搭載され、Googleマップをベースに自身のスマホから目的地設定が可能にしたほか、Googleアシスタントによる音声操作やGoogleストアを利用してインターネットを介した様々なコンテンツが楽しめるようになった。

そのほか、キーを持ってクルマから約2m離れると自動的にロックされ、約1m以内まで近づくとロックが解除される接近時アンロック、降車時オートロックが軽自動車初採用された。

また、3Dマルチアランドモニターを含むカメラ機能では、フロントアンダーフロアビューを軽初採用。フロントカメラの映像をおよそ170度広角で映すことで、見通しの悪い状況を確認できるノーズパノラマビューと、車両の下をカメラの映像を合成した形で見られるフロントアンダーフロアビューを軽初採用することで、安心感の向上を目指した。

◆「三菱の走り」をデリカミニ専用に盛り込んだ

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動力性能では、CVTの変速プログラムを変更することで、低回転からエンジン回転がリニアに上がるようにプログラム。ドライバーの意図に合ったスムーズな加速が得られるようになったという。

また静粛性ではフロントウィンドウに特殊遮音フィルムガラスを軽スーパーハイトワゴン初採用。同時に前後ドアの遮音シートやリアホイールハウス周りの遮音を向上させることで、ドライバーと後席でリビングで会話するくらいの音量でも走行中に会話ができるレベルになった。

乗り心地に関してはKYBのプロスムースショックアップソーバーを採用。デリカのサスペンションを開発した三菱のメンバーが三菱のテストコースにおいてサスペンションのセットアップを行い、デリカミニの四駆はオリジナルのものに仕上げられた。特に極低速域の減衰特性柔らかい方向にセットされたが、高剛性のスタビリングやベアリング、ブッシュの位置変更によりふらつきを抑制しつつ、しっかりしたハンドリングを実現した。

三菱 デリカミニ 新型三菱 デリカミニ 新型

三菱ならではの装備としてダイヤルでセッティングできるドライブモードが採用された。パワー、エコ、ノーマル、グラベル、スノーの5つのモードが選択可能で、ヒルディセントコントロールのスイッチもダイヤルの中心に配された。

グラベル、スローに関しては三菱オリジナルのドライブモードで、特にグラベルの場合は舗装されていないラフロードと同時に、除雪が入る前の深雪の状態や、キャンプ場へ導入路で雨が降った後に少しぬかるんだシーンで発進の時のトラクション性能や抵抗の大きい路面を走り切る力強さにフォーカスをあててセットアップされている。

三菱 デリカミニ 新型の開発エンジニア三菱 デリカミニ 新型の開発エンジニア
《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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