◆「ミニGSX-R」が実は進化していた!
「鈴鹿8耐2025」(2025 FIM世界耐久選手権コカ・コーラ鈴鹿8時間耐久ロードレース第46回大会)に突然現れ、反響の大きかった「ミニGSX-R」が、「ジャパンモビリティショー2025」で再び姿を表した。
【画像】ひっそり進化していた「ミニGSX-R」とガチで進化した「e-PO」
しかも体重40kg以下、10歳以下ならレーシングマシンがリーンするかのように、ヒジ擦りのコーナリングスタイルで撮影ができる。
開発担当者の神谷洋三さん(二輪パワートレイン技術部技術企画課)を鈴鹿8耐でも取材した筆者(青木タカオ)は特別に許可をいただき、写真を撮らせていただいた。
CNチャレンジ ミニと新型GSX-R1000Rにまたがり親子撮影が可能隣で新型『GSX-R1000R』にまたがるのは神谷さんご本人。親子での記念写真を想定した撮影コーナーだが、筆者にとっては夢のような2ショットだ。
「ミニGSX-R」は正式には「CNチャレンジ ミニ」と名付けられ、100%サステナブル燃料を使用するなど環境負荷低減を図りながら鈴鹿8耐に参戦する「チームスズキCNチャレンジGSX-R1000R」を横目に見ながら、神谷さんが制作した。
ベースは神谷さんが開発を担当した原付一種のペダル付き折り畳み電動バイク『e-PO』をベースとしている。しかし、アルミフレームはワンオフで、ウイングレット付きのカウルなど外装ももちろん専用設計。足まわりは前後10インチとしている。
進化したCNチャレンジ ミニにはヨシムラ公式のダミーマフラーと、8耐マシンと同じトラス製の天然繊維プリプレグが
「じつは進化しているんですよ」と、神谷さんが教えてくれた。
まず、ダミーマフラーがヨシムラの公式なものとなった。エンブレムが誇らしげに貼られているから、ファンにはたまらない。
そして、前後フェンダーは8耐参戦マシン「チームスズキCNチャレンジGSX-R1000R」と同様、トラス製の天然繊維プリプレグが用いられている。漂白・染色をしていない天然繊維本来のナチュラルな色だ。
e-PO、CNチャレンジ ミニの開発者神谷洋三さん。「ミニGSX-R」の体験は40kg以下、10歳以下ですよ、と注意喚起◆「e-PO」発売に向け最後の仕上げへ
ジャパンモビリティショーのスズキブースには、もちろんベースとなる「e-PO」も展示されている。
報道向け試乗会が2024年9月に開かれ、「ペダルを漕げば進む」という絶対的安心感や、「胸を張って合法に乗れるのがいい」とチーフエンジニアの福井大介さんに話した筆者だが、「あれからまた大きく進化し、かなりアップデートしています」と、福井さんは教えてくれた。
スズキ e-POまず、合法的に使用してもらうため、販売店にて免許証を確認して対面販売する方針を打ち立てた上、ナンバープレートを簡単には外せないように設計し直し、ライセンスホルダーがなくては、電力が提供できない仕組みにしている。
フレームは新作となり、フロントフォークは幅広にして安定性を向上。リヤブレーキはディスク化し、制動力はもちろんコントロール性を飛躍的にアップしている。ハンドルまわりやウインカーを刷新し、サイドスタンドも太くした。フェンダーはフルカバータイプに変更。つまり、ほぼ作り替えたと言える。
スズキ e-POそれでも、金属部品を樹脂製に変更するなどし、車体重量の増加を500グラムほどに抑えた。
「トリコトロールはスズキのブランドカラーです」と、上質な塗装も自慢のポイント。
製品化されれば、まずはバイク販売店で売られていく。そこで福井さんが頭を悩ませているのが、ペダル漕ぎ出しやアクセル開けはじめの出力特性。バイクユーザーはレスポンスに優れ、力強いものが欲しい。ただし、バイクに乗り慣れていない人は、穏やかである方が良いと、開発テスト段階からフィードバックを得ているという。
2026年度中の発売に向けて、最終仕様が作り込まれていく。「ミニGSX-R」の市販化にも期待したい。
ジャパンモビリティショー2025のスズキブース









