2025年5月に南アフリカ共和国で開催された「World Rally-Raid Championship(世界ラリーレイド選手権、通称:W2RC)」第3戦で、トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY M/T-R」を装着した三浦昂選手がナビゲーターのジャン・ミッシェル・ポラト選手と共に36台中クラス19位で完走を収めた。
超長距離×過酷なオフロードラリー「World Rally-Raid Championship」

W2RCは、国際自動車連盟(FIA)と国際モーターサイクリズム連盟(FIM)公認の世界最高峰オフロードラリー競技シリーズだ。中東、アフリカ、ヨーロッパなど年間5回開催されている、厳しい環境の中で走破することが求められる長距離ラリーである。
第3戦の舞台となる「SOUTH AFRICAN SAFARI RALLY(南アフリカサファリラリー)」の6日間での総走行距離がリエゾンを含めて約2,600km(競技区間は1,200km)。森林地帯、草原、泥濘、砂地などの多種多様なシチュエーションの悪路が設定されている。

さらには“マラソンステージ”もSS2-3に渡って予定されており、長距離のリエゾン区間を走りながら砂漠の中で夜を明かし、またその道程を違うルートで戻ってくるというドライバーにもマシンにも非常に過酷な設定になっているのが見どころでもある。

ドライバーである三浦昂選手は「OPEN COUNTRY」のブランドアンバサダーも務めており、トーヨータイヤは長年タッグを組んでダカール・ラリーに市販車クラスのT2にトヨタ『ランドクルーザー300』で「トヨタ車体チームランドクルーザー」(TLC)から参戦している。

三浦選手のダカール・ラリー参戦は2005年からナビゲーターとして始まった。2016年大会からはドライバーに転向し、ダカールラリー2018、2021、2022、2024、2025において5回のクラス優勝を飾るなど、TLCのランドクルーザー12連覇に大きく貢献し、オフロードラリーの豊富な経験・知識、実績を誇る。
その経験が認められ、さらなるステップアップとして2024年の「FIA World Bajas Cup(FIAワールド・バハ・カップ)」に2戦(ギリシャ、カタール)スポット参戦した。初出場の「Baja Greece(バハ ギリシャ)」では見事に最上位のUltimateクラス優勝を果たしている。チーム体制は昨年に続いて今回のW2RCも同様で、ベルギーに拠点を持つ強豪チーム「Overdrive Racing」と共に、トーヨータイヤのオフロードタイヤ「OPEN COUNTRY M/T-R」を装着したトヨタ『ハイラックス』で参戦した。

さらにタイヤも昨年BAJA WCの参戦を経てアップデートが施された。OPEN COUNTRY M/T-Rはケース構造と浅溝化のチューニングを中心に、より高剛性で軽量化を追及。さらにコンパウンドにはサステナブル素材が採用されており、この技術は市販タイヤへとフィードバックされていく。
マシンは「T-1+」ダカールラリー最高峰のカテゴリーに属するスペックのものだ。昨年度のからのフィードバックを通じて、チューニングが進められたタイヤ、マシンをもっての挑戦となる。早速三浦選手が参戦したW2RC、第3戦「SOUTH AFRICAN SAFARI RALLY」(南アフリカサファリラリー)の模様を、三浦選手のコメントとともに振り返っていこう。
サバンナの地を「OPEN COUNTRY M/T-R」と共に駆け抜ける!タイヤ開発も順調に進む

SS1は全長260kmの比較的高速なステージだ。全体の約40%がグラベルで、南米ならではのブラックターフ(粘土の高い泥沼地)、サンド、ターマックと路面が変わる状況だ。経験の少ないブラックターフの路面を果敢に走破していく三浦選手は、初日を総合19位/クラス19位でフィニッシュした。

続くSS2とSS3でマラソンステージとなっており、SS2は356kmと更に長いステージで、全体の50%がサバンナ(草地の高い路面)で、SS1よりもさらにカーブが少ないため高速で全体を走り抜ける必要がある。加えてSS3は246kmで同じく半分がサバンナとなる。SS2同様に高いスピードを保って、チェックポイントを通過する必要があり、大胆さと繊細なドライビングが必要となる。
「2日間のマラソンステージが終了し、大きな問題なく帰ってくることができました。サバンナの中は結構高い草が生えていて、ナビゲーションが難しかったです。また、後半でブレーキトラブルが発生してしまい、結構コントロールが苦しかったです。この感覚を後半のステージに向けて修正していけたらいいなと思っています」
(SS3終了時 リザルト:総合28位/クラス23位)

SS4は緩急に富んだ“パンクのリスク”がアナウンスされる224km。長距離のSSではないが、同じく全体の半分はサバンナだが、約20%にストーンのセクションが待ち受けており、うまく路面に合わせたドライビングが必要となる。

「SS4から戻ってきました、今日は非常に木々の中をタイトに走らなければいけない時間と、ストレートで最高速勝負というところが交互にあるので、結構リズムが変わるステージでした。タイヤも今日は2つ目のパターンをテストしましたが、ゴール地点から5km手前で2本トラブルが発生し、残念ながら大きくタイムを失ってしまいました」

「ただし2つのパターンを試してどういう方向で開発を進めていくのかということが見えてきたので段々ステップを踏んで成長できているという実感があり、結果的にはいいステージになったと思っています」
(SS4終了時 リザルト:総合24位/クラス20位)

最終日のSS5は今回最もツイスティーなコーナーが多く待ち受けるステージだ。前半はハイスピード、後半はブッシュの中を切り開いて走っていく難関ステージ。走行前の三浦選手に話を聞いた。
「最初に試したパターンのタイヤがすごくいいフィーリングだったので、最終日はもう一度、最初に履いたタイヤでこの5日間で一番いい走りができたらいいなと思っています。これまで日々いろいろなトライをしてきて、どれくらいのペースがいいのかということも見えたので、その課題にしっかり取り組みたいと思います」

ここで最終日にまさかのアクシデントが発生。惜しくもクラッシュによってタイムを失ってしまった。しかし最後までプッシュし続けたことで、これまで以上にマシンの特性を掴んでフィニッシュを果たした。同時にタイヤの方向性も明確になり、M/T-Rのさらなる開発も進んでいくだろう。レース終了後の三浦選手のコメントはこちら。

「お疲れ様でした、無事5日間のラリー終わりました!なんとか終わったんですけども、最終日に車をクラッシュさせてしまって、ステアリングを壊してしまい、タイムロスをしてしまったので非常に課題の多いラリーでした」
「その中で本格的にT1+のハイラックスを5日間乗った経験から、今後どういうことをやっていかなければならないのか、さらに速くなるための課題を感じ取ることができました」

「また、タイヤも今回大きく方向性が決まってきたんじゃないかというような感触を持っています。次のボルトガルに向けて準備は始まっていますので、さらにいいレースができるようにベストを尽くしたいと思います。応援ありがとうございました!」
(最終 リザルト:総合47位/クラス30位)
次戦のW2RCはポルトガルへ!9月5日から開催されるラリー北海道にも注目だ

三浦選手の2025年シーズンはW2RCの他に「XCRスプリントカップ北海道」へ参戦中。XCRスプリントカップ北海道は、JAF公認のクロスカントリーラリーで、参戦するXCクラスは『ランドクルーザー250』やトヨタ『ハイラックス』、三菱『トライトン』、マツダ『CX-60』、スズキ『ジムニーシエラ』などのクロスカントリー車やSUVが、北海道のスノー&グラベル路面で全6戦のラウンドで激戦を繰り広げる。

さらに三浦選手は国内ラリー初参戦となり、第3戦「ラリーカムイ」に、競技車両として初参戦となるランドクルーザー250で参戦。ラリーカムイはマシンの熟成不足もあり惜しい結果となったが、無事にXC-2クラス6位で完走を果たし、9月5日より開催される次戦、第4戦「ラリー北海道 2025」に向けたマシンアップデートに期待が高まる。

次なるW2RC参戦は、9月22日から28日にポルトガルで開催される、第4戦「BP ULTIMATE RALLY RAID PORTUGAL(ビーピー アルティメット ラリーレイド ポルトガル)」だ。同じく「OPEN COUNTRY M/T-R」を装着したトヨタ「ハイラックス」で最上位Ultimateクラスへのエントリー。三浦選手の熱い走りを応援しよう!
TOYO TIRES『OPEN COUNTRY』の製品ラインアップはこちら《取材協力:トーヨータイヤ》