ヤマハ発動機は12日、スタイリッシュなデザインで軽量コンパクトな新型小径電動アシスト自転車『PAS CRAIG ALLEY(パス クレイグ アリー)』を、2026年3月27日に発売すると発表した。
「PAS CRAIG ALLEY」のコンセプトは「街にさりげなく映えるスタイリッシュミニベロ」で、初めて電動アシスト自転車に触れるユーザーに向けて開発。週末の街乗りや通勤など、さまざまなシーンで気軽に乗れる小径モデルで、シンプルでスタイリッシュなユニセックスデザインと、乗車姿勢が前傾になりすぎない、ゆったりとした乗り心地を両立させた。
◆小径モデルの需要は10年で3倍超に
電動アシスト自転車市場の伸長国内の電動アシスト自転車市場は、過去10年間でおよそ1.6倍に成長。2024年は73万台を販売し、2025年はさらに上回る予想だという。90年代にヤマハが世界初の電動アシスト自動車「PAS」を発売した当初は、シニア層や子育てママが購入層の中心だったが、近年では車種の多様化、コロナ禍以降のレジャーや通勤需要の拡大によりユーザーも幅広くなっている。ヤマハは20車種以上もの電動アシスト自転車「PAS」と、4車種のスポーツ性を高めたeバイク「YPJ」をすでに展開しているが、ニーズの多様化に応える新モデルの投入にも積極的だ。
2024年には都会のビジネスパーソンに向けたシティモデルの『PAS CRAIG』、2025年には子乗せモデルの新車種『PAS babby』、中高生向けの通学モデル『PAS ULU』を発表していた。今回はデザイン性を高めた「小径モデル」で新たなユーザーの獲得をめざす。
小径モデル市場の伸長
「ミニベロ」と呼ばれる小径モデルを、ヤマハはタイヤが20インチ前後の小さな自転車、と定義。この小径モデルは、電動アシスト自転車市場の拡大とともに大幅に伸長しているといい、いわゆる“ママチャリ”や子乗せが9割を占めた2015年にはわずか3%だった市場が、2024年では10%まで拡大。シティ向けも倍以上の伸びを見せており、ここに商機を見出した。
また、ヤマハが小径モデルのユーザーに対し、購入時に重視した点を調査したところ、「車体のデザイン、形状」「車両のサイズ感」が最も高く、一方で「ブレーキのききやすさ」や「車体重量」「変速段数の多さ」といった性能面は重視されていないことが明らかになった。これらを踏まえ誕生したのが、スタイリッシュなデザインで初心者でも扱いやすい小径モデルの「PAS CRAIG ALLEY」となる。
◆「普通の自転車に見える」スタイリッシュなデザイン
ヤマハ PAS CRAIG ALLEY主な特徴は、スチールパイプならではの細身設計を活かしたスタイリッシュなフレームデザイン、快適なライディングポジションに寄与するハンドルポジション、内装3段変速や前後フルフェンダー等の日常生活での数キロ圏内の移動に適した装備など。
特に注力したデザインは、スポーティな見た目と快適な乗車感を両立するというもの。一見すると「普通の自転車に見える」のがポイントで、電動アシスト自転車はペダルの付け根にある「ドライブユニット」とバッテリーの存在感が大きく、これを小径モデルのサイズに搭載するとフレーム形状などが特殊なものになる。
ヤマハ PAS CRAIG ALLEYPAS CRAIG ALLEYでは、通常フレームから吊り下げる形になるドライブユニットを、フレームを挟み込むような形にすることでコンパクト化。さらに後輪のフレーム(ステー)を一本にすることで、バッテリーの取り外しがしやすくかつ、直線的な水平基調のデザインを実現。フレームを横から見るとダイヤ型にすることで、従来の小径電動アシスト自転車然とした佇まいではない、スポーティで「普通の自転車に見える」デザインとした。
ハンドルはBMXのようなブリッジタイプとし、さらに多段スペーサーを組み合わせることで高さを調整することも可能に。また多段スペーサーによってハンドルの支柱を太く力強く見せることができ、これが見た目のスポーティさにもつながっている。
また、乗りやすさの面では、しなやかな細身のフレームとクッション性の高い太いタイヤによって快適な乗り心地を実現。乗り手とハンドルの位置関係、高さと角度、ハンドル形状に工夫を施し、乗車姿勢が前傾になりすぎず、快適に乗れるライディングポジションを実現した。
ヤマハ PAS CRAIG ALLEYのスポーティ要素コンパクトでキビキビと走るイメージの小径モデルだが、PAS CRAIG ALLEYはフロントのキャスター角(タイヤを支えるフレーム)を最適化することで、直進でも安定した走行をおこなうことができる。また、小径というと、より多くペダルを漕がなければいけない、と思いがちだが、ヤマハの小径モデルはギア比を調整することで1漕ぎあたりに進む距離は26インチモデルと同等だという。
カラーリングは、フォーマルからカジュアルまで、どんな服装ともマッチする「メルティグラファイト」を新開発。このほか、カジュアルなアウトドアスタイルにもマッチする「カーキジェイド2」、洗練された印象の中に温もりを感じる「マットエクリュ」の全3色をラインアップ。メルティグラファイトとマットエクリュには、オレンジの差し色が施され、さりげなく個性を演出しているのもポイントだ。
ヤマハ PAS CRAIG ALLEY(メルティグラファイト)
ヤマハ PAS CRAIG ALLEY(カーキジェイド2)
ヤマハ PAS CRAIG ALLEY(マットエクリュ)自分好みに仕上げるためのカスタマイズ性にも配慮。フロントバスケットやリヤキャリア、両足スタンド、ボトルゲージ台座など多彩なオプションも用意する。
◆小径モデル最安価の13万8000円
15.8Ahの大容量バッテリーを搭載し、一充電あたりの走行距離は「オートエコモードプラス」で最大128kmを実現。少ない充電頻度で使うことが可能だ。バッテリーが空の状態から満充電にかかる時間は、約4.5時間。
PAS CRAIG ALLEYの価格は13万8000円。ヤマハの小径モデル『PAS CITY-C』(14万5200円)『PAS CITY-X』(14万7400円)『PAS CITY-V』(15万6200円)と比べても最も安価で、電動アシスト自転車の入り口として最適な一台となっている。
ヤマハ PAS CRAIG ALLEY









