大胆なイメチェンを図ったY31型『セド/グロ』
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1987年登場のY31型『セドリック/グロリア』は、1971年の230型で両車が兄弟車となってから5世代目のモデル。それまでよりも、スタイリング、メカニズム共に、かなり大胆なイメージチェンジを果たしたのが特徴だった。
特にスタイリングは、430型、Y30型と続いた直線基調から、フロントグリルをやや低く構えた、このクラスとしてはスポーティ方向に。このY31型の登場の翌年、Y31型をベースとした3ナンバー専用車の初代『シーマ』が登場しており、キャラクターの違いをより明確にする意味もあっての若々しいスタイリングだったともいえる。
ちなみにシーマとは2735mmのホイールベースは共通で、全幅はセドリック/グロリアの2リットルモデルが1695mmだったのに対してシーマは1770mmの設定だった。
人気を博した“グラツー”の投入
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さらに後に人気を博すこととなった「グランツーリスモ」、通称“グラツー”が登場したのもこのY31型から。グランツーリスモの搭載エンジンは、前型のY30型から搭載されるようになったVG系の2リットル・ツインカムターボ「VG20DET型」で、シリーズの3リットルターボに次ぐ、185ps/22.0kgmの性能を発揮。NICS(電子制御可変吸気コントロールシステム)、NVCS(可変バルブタイミングコントロールシステム)、NDIS(ダイレクトイグニッションシステム)などを採用。ターボローターのセラミック化や小型化などによりターボラグを感じない意のままの加速であることも、カタログの文面では謳われていた。
世界初だった、長短2本のチューブをエンジン回転により使い分けるデュアルモードマフラーの採用も見逃せない。
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グラツーの外観は今見ると控えめだが、角型フォルランプを内蔵したチンスポイラー一体バンパーや、専用グリル、専用のディッシュタイプのアルミホイールなどで、ブロアム系のエレガントさとは一味違うムードだった。
登場時に借り出した試乗車は確かこのブラックだったが、アクセルを少し大きく踏み込むと、1490kgのボディがスウッと目覚ましい加速を示し、とにかく理屈抜きで速さを堪能できる点が印象的だった。
セダンはなんと2002年までキャリーオーバー
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一方でセダンは、このY31型登場時のモデルが2002年までキャリーオーバーとなった。いつだったか本連載で“ランチア・テーマ似”と取り上げたスタイルは背筋を伸ばしたような上品さで、長く続いたことからもデザイン的な耐久性が高かったことが証明された。