シンガーは、米カリフォルニアで14日に開幕した「モントレーカーウィーク2025」の「ザ・クエイル」において、ポルシェ『911カレラクーペ リイマジンド・バイ・シンガー』を北米で初公開した。
シンガーは、クラシックなポルシェ911のレストアと再構築を手がける企業で、オーナーとの協力のもと個別のレストアサービスを提供している。

今回披露された車両は、30年以上前にポルシェが製造したタイプ964をベースとしている。レストアプロセスでは、まずオーナーの車両を慎重に分解し、スチール製モノコックシャシーまで露出させる。シャシーは入念に評価・清掃され、レッドブル・アドバンスド・テクノロジーズとの協議で開発されたシャシー強化技術が適用される。
内装では、特別な革細工技術が採用されている。ステッチと焼き入れされた革の縫い目は、長時間にわたる精密な手作業によるエッジサンディングと塗装技術で実現され、1台あたり400時間を要する。この技術は高級革製品の世界から取り入れられたもので、シンガーの革細工技術の習熟度を示している。
エンジンは、シンガーの長年の911に関する経験とDLSプログラムから得られた知見を活用している。コスワースと共同開発されたこのエンジンは、シンガーがポルシェ911のレストアで初めて可変バルブタイミングを採用したエンジンとなる。

4.0リットル水平対向6気筒エンジンは420hpを発生し、8000回転以上まで回転する。自然吸気エンジンでありながら、水冷シリンダーヘッドと空冷シリンダーの組み合わせ、電動ファンを採用している。
最適化された6速マニュアルトランスミッションが後輪に動力を伝達し、新開発のチタン製エキゾーストシステムが水平対向6気筒エンジンの特徴的なサウンドを響かせる。