フロントのエンブレムにあるツマミをひねると、エンブレムごと開いて顔を出す充電ポート。エネルギーチャージはまるで、ペットにごはんをあげるような感覚だ。充電ポート内にあるボタンだけで、すぐに充電ができたり、タイマーの起動ができたりするのもシンプルで使いやすい。運転席は身体にフィットするシートと、エネルギーモニターをスッキリとデザインしたモダンなメーターで、“特別感”は薄いけれどガソリン車から乗り替えてもまったく違和感がなくフレンドリー。ハイブリッドシステムの起動も静かで、モニターに表示された走行モードからまずはEVモードを選ぶ。効きの強いブレーキフィールや、踏み込みに瞬時に反応する加速フィールが、このクルマ専用に開発されたモーターの実力を匂わせる。でもそれをふりかざすのではなく、走りだしからのなめらかさ、乗り心地の良さでマイルドに感じられる。そしてHVモードにすると、どこかふんわりとした余裕を感じる乗り味に。ヤンチャさはどこにもなく、とても上品だ。バッテリーのチャージモードでは、ステアリングやアクセルの手応えに重厚感が出て、低く唸るような音が聴こえる。でもやっぱり、上品さは損なわない。見た目から予想したスポーティさよりも、そうした上品さがどこまでも続く、意外にオトナなPHV。『A3スポーツバック e-トロン』は、そんな印象が強く残った。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア居住性:★★★★パワーソース:★★★★フットワーク:★★★★おすすめ度:★★★★まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト映画声優、自動車雑誌『ティーポ(Tipo)』編集者を経て、カーライフ・ジャーナリストとして独立。 現在は雑誌・ウェブサイト・ラジオ・トークショーなどに出演・寄稿する他、セーフティ&エコドライブのインストラクターも務める。04年・05年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本カー・オブ・ザ・イヤー(2005-2012等)選考委員、AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。公式ブログ 『運転席DEナマトーク!』他アップ中。
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