気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2013年11月27日付
●秘密保護法案衆院通過、自公み賛成、維新は退席 (読売・1面)
●アクア燃費世界一奪還、リッター37キロ、フィット抜く (読売・10面)
●高速料金割引延長へ、期間1年を軸に調整 (朝日・9面)
●パナEV用ボックス型充電器を1月発売(産経・7面)
●半導体3工場を売却 パナソニック構造改革メド (日経・1面)
●自動車取得税を軽減,政府、消費税8%時、購入額、一部を控除、60~100万円で3案 (日経・3面)
●仏プジョーシトロエン、ライバル出身新トップに託す、再建、東風と提携に活路 (日経・7面)
●トヨタ収益力、VWしのぐ、日本車、円安・コスト改革奏功、米欧勢は欧州重荷(日経・9面)
●インドで新型「シティ」ホンダ、ディーゼル車第2弾 (日経・11面)
ひとくちコメント
トヨタ自動車の豊田英二さんは「今がピークと思ったらお仕舞いだ」という言葉を残したが、その遺志を継ぐようなニュースが「お別れの会」が営まれた翌日に流れた。トヨタ自が主力の小型ハイブリッド車(HV)「アクア」の燃費性能を一部改良し、ガソリン1リットルあたり37.0キロメートルに高めたというのである。
現行のアクアの燃費は35.4キロメートルで、12月2日に発売する改良型は1.6キロメートル改善される。その結果、ホンダが9月に「世界最高燃費」をセールストークに発売した新型「フィットHV」の36.4キロメートルを600メートル上回って、燃費性能では、アクアが再び世界最高水準を達成したことになる。
きょうの各紙も「アクア燃費世界一奪還」(読売)、「燃費37キロ世界一奪還」(産経)、「アクア燃費再び最高」(日経)などと、大きく取り上げている。
ただ、アクアは5月に一部を改良しており「半年での再改良は異例」(東京)との指摘もある。記事では、「10月の新車販売ではフィットがアクアを抜いて首位だったため、トヨタはアクアの燃費向上で巻き返しを図る」としている。
「世界最高燃費」を売り物にしていたホンダの技術開発陣は、トヨタに抜かれてショックを隠し切れないが、次は「37キロ」を超える改良型を投入する可能性もある。
豊田英二さんが言うように技術開発には限界がないことはわかるが、「リッター37キロ」の燃費でも、道路事情やドライバーのテクニックによっては、実質燃費はかなり下回ることも事実。
以前にも指摘したが、ユーザーの購入動機は燃費ばかりではなくデザインやインテリアなどの機能性なども評価の対象だ。エコカー人気とはいえ、燃費性能を競うのが最大のセールトークでは情けない。