実際に目の当たりにしてみると、なかなか使い勝手のよさそうな手ごろなサイズ。上級モデルの『X5』ほど存在感がないと思っていたけれど日本で使うにはこれでじゅうぶん。
さすがはBMW。パッと見、スタイルがジミかと思ったが、乗ったら見事にBMWテイスト。現行レンジローバー、2代目ミニにも感じたことだが、こと“ブランド作り”に関してはつくづく当代随一のメーカーだ。
ハッチバックはあれほど個性的で異彩を放つ魅力を湛えていたのに、カーゴルームを設けたワゴンルックにすると途端に普通のクルマになっちゃった。
新しい走り味を持つボルボ。『ゴルフV』も新型でこれまでにないスポーティを手に入れたが、ボルボS40もまた同じようにスポーティな部分を身につけた。
サスがとてもスムーズに動く。まるでスポーツセダンのようなハンドリングだ。でも、硬くはないんだ。またスポーティ系にありがちなゴツゴツ感や突き上げ感はない。
走り出せばすぐに感じる、剛性感。コーナリングでイジめても、ボディはどこまでもしっかりしている。だから、サスペンションの動きが微細に感じ取ることができるのだ。セッティングは少々硬めだ。
クルマとしては文句ない。基本的には“視点が高いだけの3シリーズ”みたいな、3シリーズそのものに近いステキな走りをしてくれて、『GT-R』ばりのフルタイム4WDも搭載してる。
SUVでなくSAV。電子制御多板クラッチを使った4WD(日産アテーサE-TSと同方式)。電動パワステやアクティブスタビ、ランフラットタイヤなどなど未消化の新アイテム装着せず。
『X5』は魅力的ながら、日本の道で乗ろうとするとあまりに大きい。ガソリン高騰の折、環境にだってやさしくないイメージ。ひと回りコンパクトな『X3』なら2.5リッターエンジン搭載車だってじゅうぶん元気よく走ってくれる。
ルノー車に共通するのが「日本車のようなボディの緩さ」。ドイツ車に乗り慣れている人だと、あらら? と思うくらい剛性感薄い。