4300ccエンジンと6速スーパーECTの組み合わせは、じつに豪快な走りを示す。重量級のボディをぐいぐい引っ張っていく実力は、まさに高級車にふさわしいものだ。
低価格のコンパクトカーだが、運転席に乗り込んだときのインテリア回りの安っぽさや質感の不足は目を覆いたくなるほど。今のユーザーは単なる安さではなく、品質の優れたクルマの安さを求めていると思う。
ジャガーとしては初めてのステーションワゴンとのことだが、外観デザインやインテリア回りの雰囲気、滑らかな走りのフィールなどは、いずれもジャガーらしさがしっかり表現されている。
初代マジェスタは“和”の上質乗用車の可能性を感じさせたのだが、代替わりのたびに俗っぽいクルマへと低落。
前作ストーリアはダイハツ開発、トヨタがOEM導入。骨細だったが悪くなかった。今回は企画:トヨタ、開発設計:ダイハツ主導。その結果、ダイハツのマジメさは消え、トヨタ流商品演出も中途半端。
今日のジャガーは「伝統の英国車」「猫足」というかつての美点は消滅し、フォード傘下の上級ブランド商品。無国籍かつ類型的なクルマづくりに終始する。
確かに静かで滑らかで速くてとってもいい高級車。ただし、これが「トップ・オブ・トヨタ」と考えると疑問。もうちょっと圧倒的にいいクルマが作れたはず。
皆さんベタ誉めの評価である。しかし高級車としての仕上がりは、イマイチ物足りない。
どんなレベルの腕前でも安心して運転できる。ここまで扱いやすいクルマを作る、というのも素晴らしい技術かもしれない。
クルマそのものは『Xタイプ』と同じ印象。本当の高級を知っていれば厳しいけれど、日本車と比べれば圧倒的に雰囲気ある。