日立建機は12月3日、バッテリー駆動式ショベルとベルエナジーの移動式給電車を組み合わせた実証試験を、東京都府中市の施工現場で行ったと発表した。
本試験の結果、充電用電源が未整備の施工現場においてもバッテリー駆動式ショベルと移動式給電車の組み合わせで工事が安定して実施できることを確認し、さらにエネルギーマネジメントを行う上での最適な充電計画を検証できた。
昨今、GX建機認定制度の開始など、日本国内でも電動建機の導入機運は高まりつつある。日立建機は2024年9月に、バッテリー駆動式ショベル3機種と可搬式充電設備の国内販売を開始した。電動建機は排出ガスを出さず静音性に優れている一方、充電インフラの整備や充電時間の確保など運用面での業界共通の課題が存在する。そのため、日立建機にとっては、施工現場での実証試験を通じて、最適な運用方法を提案することが重要だ。
ベルエナジーは、EVをベースとした移動式給電車「MESTA Gen(メスタ・ジェン)」などを活用して電力供給サービス「電気の宅配便」を提供しており、指定の場所に出向いて建設機械やEVに電力を供給することができる。この移動式給電車は自走して充電ステーションへ赴き、充電することが可能である。また、工事の進捗状況に応じて移動できるため、設置場所に縛られず、現場の変化に柔軟に対応することができる。
本試験は、充電用電源が未整備の施工現場を想定し、日立建機のバッテリー駆動式ショベルZX55U-6EBとベルエナジーの移動式給電車「MESTA Gen(メスタ・ジェン)」1台を組み合わせて実施した。移動式給電車は施工現場近隣の充電ステーションで充電し、施工現場に戻ってバッテリー駆動式ショベルに1日に複数回、直接給電した。
今回は、日立建機が施工現場の運用スケジュールやバッテリー駆動式ショベルの稼働状況の予測に基づき、充電の必要性を判断することで給電車の最適配車タイミングを計画し、ベルエナジーがその計画に合わせて給電車を配車する運用を実施した。その結果、充電用電源が未整備の施工現場でもバッテリー駆動式ショベルと移動式給電車の組み合わせにより外構工事を安定して実施できることを確認した。
将来的には、日立建機は施工現場でのバッテリー駆動式ショベルの稼働状況に応じて最適な充電計画を提案するエネルギーマネジメントソリューションの実現をめざす。日立建機グループは、今後もお客さまや協創パートナーと共に、施工現場全体のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを加速していく。



