ダイハツブースはハイゼット&アトレー祭り…東京オートサロン2022

ダイハツ・アトレープレミアムVer.(東京 オートサロン2022)
  • ダイハツ・アトレープレミアムVer.(東京 オートサロン2022)
  • ダイハツ・アトレーキャンパーVer.
  • ダイハツ・ハイゼット歴代(東京オートサロン2022)
  • ダイハツ(東京オートサロン2022)
  • ダイハツ・アトレープレミアムVer.(東京 オートサロン2022)
  • ダイハツ・アトレープレミアムVer.(東京 オートサロン2022)
  • ダイハツ・アトレープレミアムVer.(東京 オートサロン2022)
  • ダイハツ・アトレーキャンパーVer.

ダイハツ工業東京オート2022にフルモデルチェンジしたダイハツアトレー』をベースにしたカスタマイズカー2台を出展。並びに歴代『ハイゼット』を展示し、いわばハイゼット祭りとなっている。

◆ハイゼット61周年、17年ぶりのモデルチェンジを祝う

----:まずは会場全体のコンセプトから教えてください。

ダイハツデザイン部第一デザイン室先行開発スタジオ主任の米山知良さん(以下敬称略):毎回“ダイハツヴィレッジ”というテーマのもと、2019の東京モーターショーから始めて、東京オートサロンなどずっと継承してやってきています。ダイハツは地域のお客様と密着した商品作りをしていますので、そのクルマを介して人と人との繋がりや、クルマの使われ方などを、ダイハツヴィレッジというテーマに込めて続けてきているのです。

そして今回の一番のトピックはハイゼットが61周年を迎え、また、17年ぶりのモデルチェンジをしましたし、グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を頂戴しました。もともとは『ミゼット』からスタートし、そこからハイゼットと長い歴史を紡いできた節目の年でもありますので、そういうところをカスタマイズカーはもとより、初代から最新型まですべて展示して、皆様に感謝の気持ちを込めてアピールしていきたいと考えています。

◆アトレープレミアムVer.…クールさと迫力をまとった1台

----:では早速1台ずつご紹介ください。まずはアトレープレミアムVer.はどのようなイメージなのでしょう。

米山:アトレーは第3の居場所という訴求をしています。また、訴求色もオレンジで、どちらかといえばレジャービークル、レジャー用途としてアピールしている面があります。

一方で、これまでアトレーは建築業などの職人さんなどにも好んで使っていただいています。そこでそういった方々に狙いを定め、“クールさと迫力を身にまとった、プレミアムな世界観”というテーマのもと、少し押し出し感があって、かつクールな感じに仕上げていきました。実際にスケッチを描いているときは、シンプルで分かりやすい形で見せたらよろこんでもらえるのではないかと思っていました。

----:そのシンプルさとはどういうものですか。

米山:例えばヘッドライトはメッキが入っているのですが、ブラックインナーヘッドライトを採用し、グリルも専用の艶ありのグリルにして、バンパーと一体に見えるような迫力がある、全体的に押し出し感があるものにしています。縦型にしたデイライトで精悍な感じを演出。サイドやリアのエアロも全部、専用に作ったのですが、割とシンプルでクールに仕上がっていると思います。

----:職人さんたちがこだわるクルマ趣味やデザインを目指したということですね。

米山:はい、格好良く使ってもらいたいのです。もちろんこれ1台でファミリーに使ってもらえるようにという思いもあるのですが、(職人さんたちは)割と綺麗にキメている方が多いので、そういうところを意識しています。

----:ボディカラーにもこだわりがありそうですね。

米山:精悍さを出したかったのでパールホワイトを選びました。また屋根を黒くしたのはクルマが低く見えるようにしたかったのです。車高も50mmほどローダウンし、16インチのアルミを履いています。

----:インテリアはいかがですか。

米山:インテリアは純正のブラックの本革調のシートカバーを白に作り変えました。また、インテリアのパネルも用品のオレンジ色の純正オプションのものを白に塗り換えています。もしこの評判が高かったとすれば、商品化出来るかもしれません。

これまで多くのモデルを手掛けて来ましたし、軽トラックなども相当数やりましたが、アトレーは初めてなんです。この箱をいじるのは簡単そうで意外とどう個性を出せばいいかが難しい。新型は割とスクエアなボディなので、そのスクエアさをさらに強調して、迫力を出せる方向に仕上げられましたので、良い素材だと思っています。

◆アトレーデッキバンキャンパーVer. …絶景でお風呂に入ろう

----:続いてはアトレーデッキバンキャンパーVer.です。

米山:最初に思いついたのは、世界最小の4LD“軽”を考えました。運転スペースと荷物のスペース、そして上が寝るスペース。実は後ろにお風呂があるんです。なのでテーマは、“着いたところが私のフィールド、毎日を冒険に変える頼れる相棒”としました。行った先がリビングみたいなイメージですね、お父さんたちはなかなか自分の部屋が持てなかったりしますよね。そこでアトレーの第3の居場所とかけて、自分で好きなところに行って、そこを自分のリビングにして、そこで寝たり、そして一番の絶景でお風呂に入っていただきたいなというコンセプトです。

----:アトレーデッキバンをベースにどのようなところに手を入れていますか。

米山:まず全体の車高を50mmほど上げ大径タイヤ(165/65/R15)を履かせています。フロント下の部分は全部作り直して、ブラックのチップ塗装を施し、よりタフなイメージを出しています。

またフォグランプの位置(ヘッドランプ下)を純正より上にあげて、クルマ全体を高く見せています。そしてそこにもチップ塗装してよりタフに見せています。ライトカバーとグリルにDAIHATSUのロゴを入れるなどで、RV感も強調しています。

----:カラーリングも凝ってますよね。

米山:これもオレンジ色なのですが、もともとの純正オレンジは少し渋めなんです。そこでその純正色のイメージをより強調するために少し明るめにして、RV色をさらに強めています。自然の中でも目立つようなフライドジャケットの裏地のイメージです。

----:ハニカムパターンもちりばめられれていますし、トーンの変化も付けていますね。

米山:ハニカムはクルマの強さみたいなところを表現しています。トーンはいきなり黒とオレンジですとちょっと強烈すぎるのでバランスよくちりがめながらやりました。

そしてサイドビューでは、スライドドアのガラスを外してパネルに作り替え、そこにROTPAXの工具箱を両側に取り付け、取り外しが出来るようにしました。そこに例えばけん引ロープや軍手を入れることが出来ます。

それから荷台部分にロールバーがついてるのですが、ノーマルだとCピラーが下りてきて荷台部分と直角になります。そこをこのロールバーで三角にすることで、より一体感、RV感が強調されるようなイメージにしています。

----:そして大きな特徴はルーフですね。

米山:ルーフはGI WORKSのテントにラッピングを施しています。横にはしごがかけられるので、横から入っていただいて、大人2人ぐらいは寝られるような空間があります。

----:インテリアはいかがですか。

米山:フロントシートは純正のシートカバーなんです。内装のパネルも純正のままです。元々訴求色がオレンジですので、純正の用品のものをそのまま使ってもなにも違和感なく仕上げられました。

エクステリアも含めて元々のノーマルが持っているレジャーのイメージをさらに強調させたかったのが一番根底にあります。そこから味付けを濃い目にした感じですね。

----:新型アトレーデッキバンはグレード展開もありダイハツとしても力が入っていて、来場者も興味あると思います。

米山:もともとデッキバンは冷蔵庫を運ぶためのクルマだったんです。冷蔵庫は寝かせることが出来ないので、電気屋さんが縦に冷蔵庫を積みたいという要望があったので、そういったお客様の要望にこたえる形でデッキバンが生またのです。

一見お風呂とかついていますのでふざけている感じもするかもしれません。ただ、災害の時とかでは、お風呂入れないことも考慮しながら、そういう時にも使えたらいいかなと思いながら考え進めていきました。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集