サーキットでも体感できない! レーシングマシンの轟音…選手はぶっつけ本番、公道デモラン

Red Bull Race Day “轟音東京”
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東京・神宮外苑の公道を使ったモータースポーツイベント「Red Bull Race Day」が19日、開催された。今シーズンのSUPER GTスーパーフォーミュラに加えて、2輪最高峰であるMotoGPのカテゴリーを戦ったRed Bullチームの3台が、公道走行やパフォーマンスを行ない、集まったファンを楽しませた。

会場は神宮外苑にある秩父宮ラクビー場周辺の公園や道路だが、レースカーが走るコースは国立競技場前からラグビー場を左回りに回り、権田原交差点で折り返すというもの。走行するコースは普段は公道として使われている道路だ。180メートルの直線、鈴鹿の110Rのようなコーナー、そして180度ターンという見せ場もたっぷりなコース設定だ。

Red Bull Race Day “轟音東京”Red Bull Race Day “轟音東京”

走行した車両は、スーパーフォーミュラ Red Bull MUGEN TEAM Gohのダラーラ『SF19』、SUPER GTのGT500マシン TEAM Red Bull MUGENのRed Bull MOTUL MUGENのホンダ『NSX-GT』、MotoGP LCR HONDA IDEMITSUのホンダ『RC213V-S』の3台。ドライバー、ライダーは、SF19が大津弘樹選手、NSX-GTが笹原右京選手と大湯都史樹選手、RC213V-Sが中上貴晶選手が務めた。

Red Bull Race Dayは、日頃サーキットでしか馴染みのないレース車両をもっと身近に感じてもらい、モータースポーツファンの理解を広めファンを増やすための取り組みだ。都内の公道で現役のレースカー、モンスターマシンを走らせる企画というのも、勝負にこだわり妥協をゆるさないRed Bullチームならではのイベントといえるだろう。爆音だけでなく、オイルが焼ける匂い、タイヤがあげる白煙が観客を魅了する。

Red Bull Race Day “轟音東京”Red Bull Race Day “轟音東京”

コースが都内の公道ということもあり、観客はほぼ歩道の位置から爆走する競技車両を見ることができる。動体視力がいい人や180度ターンのエリアでは、ドライバーやライダーの顔さえ見えそうな距離感だ。この距離感はサーキットでも体感できない。もちろん車道と観客規制エリアの間には若干のセーフティエリアも設定されており、安全面の配慮もなされている。

選手たちは、パフォーマンスランの前にナンバー付きのホンダ『S660』を運転してコースの下見を行う。ただし公道を封鎖するため、事前の練習や完熟走行はできない。マシンのセッティングについてもシェイクダウン走行もないので、各チームはほぼすべてがぶっつけ本番だ。ファンサービスもあって、各車両とも事前のセッティングは公道向け、路面のうねりなどを想定したものだそうだが、タイヤやブレーキのウォームアップもままならない状態での走行となった。

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一般道の舗装はサーキットより粗く、路面は排水のためわずかながら蒲鉾状の断面になっている。道路封鎖で車線をフルに使えるとはいえ、コーナーアウト側は原則逆バンクとなる。

このような条件でも、各選手は2本目からは感覚をつかみアグレッシブな走りをみせてくれた。圧巻は、フィナーレを飾る異種混走のデモだ。折り返しもありさすがに3台の並走はできないが、観客にとっては、フォーミュラカー、GTカー、Moto GPバイクが入れ替わりコースを往復するという、通常のサーキットやイベントでも見られない貴重な体験となった。

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選手にとっても、コロナ禍で対面イベントやレースが制限されるなか、観客の前でファンサービスや交流ができたはずだ。ラリーでもなければ観客の鼻先を競技車両が駆け抜けるということはない(本当はラリーでもあってはいけないのだが)。思ったよりグリップしない路面と観客の顔が見える距離での走行は恐怖でもある。だが、大津選手が「車両セッティングもドライバーも試合の5%くらいの走行だが、ファンのみんなにモータースポーツの楽しさを伝えられたと思う。サーキットではもっと違った全開走行やパフォーマンスをお見せできるので、ぜひサーキットにも足を運んでほしい。」と最後にコメントしたように、選手全員もイベントを楽しんでいた。

《中尾真二》

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