パナソニックは、プラットフォームを刷新してユーザーインターフェイスを大幅に進化させたカーナビゲーションシステムを開発。スバル車向け車種専用ビルトインナビとしてスバル系ディーラーにおいて10月より順次発売していくと発表した。
新プラットフォームの採用で地図のHD化やインターフェイスを刷新
対応したのは新型『レヴォーグ』と『インプレッサ』、『XV』、『フォレスター』の4車種で、画面サイズはレヴォーグが9型、残り3車種は8型となる。
車種専用としたことで純正らしい車両との統一感を高めたシャープな本体デザインを実現した。電源OFF時には車内の照明やインテリアに調和してボタン表示が完全に消える静電ブラックアウトボタンを採用。そのフォルムは低反射のHDディスプレイで黒が引き立つほどの美しさだ。また、ディスプレイには低反射を実現したボンディング加工ディスプレイを採用し、外光下であっても視認性が高く、操作がしやすい大画面ナビとしている。
注目すべきはカーナビゲーションとしてプラットフォームを刷新したことだ。高性能半導体チップを採用し、ユーザーインターフェイスを大幅に進化させて地図描画のHD化も実現。ナビゲーションとして基本的な性能や操作性を大幅に向上させているのだ。純正としてデビューしたこの4機種はそれよりも一歩先を行く製品として登場したことになる。
プラットフォームの刷新でまず大きく変わったのがユーザーインターフェイスだ。2画面表示は地図上にウインドウ風にサブ画面を表示させるもので、その位置は指操作でフレキシブルに動かすことが可能となった。地図と地図の2画面を表示しているときは動かせないようだが、たとえばAVモードなどの表示は好きな位置に自由に移動できる。その操作感も一段とスムーズさを増し、起動に必要な時間を大幅に短縮。使って心地良さを感じる新たな操作環境を実現できたという。
新プラットフォームの採用でアルゴリズムも刷新され、自車位置の精度は大幅に向上したようだ。測位は1秒間に10回行い、高速走行であっても滑らかに自車位置を表示できるという。また、新たに駐車場の出入口を学習する新アルゴリズムを採用し、駐車場から走行車線に戻る際に発生しがちな位置ズレの解消につなげている。さらに、高架道路と並走する道路(高速道路と一般道、一般道の立体交差道路など)の上下判定の精度も向上させたという。
スマホ連携で地図データ更新や音声認識機能はより使いやすくなった
HD描画を実現した地図は、シャープな線、クリアな文字、実物と同様のデザインの方面看板やピクト表示で直感的に認識できるなど、見やすく分かりやすい表示でドライバーをサポート。ルート案内時は直感的で分かりやすいアニメーション案内図も採用する。地図データは従来通り、詳細な住宅地図で定評のあるゼンリン社製を採用。道幅や入口情報といった詳細なデータを収録し、詳細な市街地図を全国レベルで表示する。
使ってその便利さを実感できるのが、音声による目的地設定がアプリなしでできるようになったことだ。この方法ではナビとスマートフォンをWi-Fi通信で接続し、アプリを介さずに行える。まるでスマートフォンのナビアプリで探すように目的地設定ができるのだ。
地図のデータ更新が大幅に楽になったのも見逃せないポイントだ。更新データはスマートフォンでダウンロードしておき、そのデータをWi-Fi経由でナビにダウンロードする方法を採用した。今までのようにナビ本体で使っているSDカードを取り出し、PC上で更新するといった手間は一切不要。ダウンロードにかかる通信費用は実費で、専用アプリのインストールが必要になるが、直接データ更新できるメリットは大きいと言えるだろう。
エンタメ系への対応も充実しており、4機種ともブルーレイ再生やハイレゾ音源再生を可能としている。特にハイレゾ音源については192kHz/24bitのWAV/FLACの再生にも対応。音源の高音質をそのままに、車種専用のチューニングで楽しめる。また、ハイレゾに対応した高音質の「音の匠スピーカー」を用意したことも見逃せない。その他、別売で車両の前後方向を録画できるドライブレコーダーを用意。ナビ画面からドライブレコーダーの操作が行え、リアカメラは後方の映像にワンタッチで切り替えられるため、あおり運転対策としても有効だ。
新型レヴォーグでは新たにライン装着を用意しているため、車両側との連携では及ばない部分も多いと思う。しかし、新車購入後でも選択できるのはディーラーオプションならではのメリット。しかも車種専用ということで、特にインプレッサ、XV、フォレスターにとってはフィット感の高さが魅力となるだろう。