e tron GTのデジタル走行サウンドの開発では、電気モーターの回転速度、負荷、車速、ドライブマネジメントによって提供されるパラメーターに関するデータをベースとした。車両が低速で走行している時、デジタル走行サウンドは目立たず、速度が上がるにつれて、より豊かでダイナミックな音に変化する。アウディによると、人工サウンドではあるものの、ドライブシステムの働きをリアルに伝えることを目指したという。
アウディのエンジニアは、e tron GTの開発段階で130人の顧客を招き、デジタル走行サウンドの開発に取り組んだ。顧客はカーテン越しに、走行するプロトタイプ車両から発生する音を評価し、開発作業に貴重な情報をもたらしたという。
ルドルフ・ハルブマイヤー氏は、e tron GTのデジタル走行サウンドについて、「SF映画から内燃機関や宇宙船を模倣することは意図的に避けた」と話す。その代わりに、スポーティで広がりのある洗練されたサウンドを狙った。これは、クリアで独特なサウンドでもあり、おなじみのサウンドパターンに、新しい未来的な要素を組み合わせたものだ。アウディの音は、モーターやエンジンのサウンドだけではなく、スポーティさ、洗練さ、進歩的なキャラクターの音響表現になるという。