また、明確な弱点とは言えないが、デザインが無難に過ぎ、フリードのアイデンティティがハッキリしないというのもややネガティブに感じられた。全体としては2013年に当時デザインディレクターの座にあった南俊叙氏が提唱した「エキサイティング H デザイン」の文法に沿ったもので、フロントマスクは「ソリッドウイングフェイス」という、左右のヘッドランプとグリルを連続性のある1つのエリアにまとめたもの。そのテイスト、造形がフィットとあまりに酷似しているため、とくにフロントビューは一見、フィットという印象を与えてしまう。率直に言って、フリードプラスよりフィットプラスという名前のほうがしっくりくるのではないかと思えたほどだった。旧型がエグいデザインで顧客の歓心を集めていたことにかんがみて、白物家電的ではないファクターがもうちょっとくらいあってもよかったんじゃないか、などと思えた。