KTMジャパンは8月4日、クロスパーク勝沼(山梨県)にてKTMオフロード・コンペティションモデルの2016年モデルを発表し、メディア向け試乗会を開催した。
注目はモトクロッサー「SXシリーズ」のフルモデルチェンジだ。『250SX-F』にまず乗った。
跨って感じるのは、シート高が若干低くなっていること。聞けばシートからリアエンドにかけて10~20mmのマイナス。ハンドルバーの位置も10mmほど下がったという。
昨年型より、さらに380gの軽量化を果たした新設計クロモリ鋼フレームに、1.1kgの重量減となった水冷単気筒エンジンを搭載。全体でも102.2kgから98.5kgへと大幅な軽量化を実現しているだけに、押し引きからして軽い。
その軽さはリズムセクションでも大きな武器になり、軽快なジャンプが決められる。着地がより安定しているのは新採用の3チャンバーエアフォークのおかげで、少し飛びすぎたと感じてもしっかりショックを吸収。
左レッグにエアスプリング、右レッグに減衰カートリッジを内蔵し、従来型フォークより約1.4kgの軽量化に成功。1つのバルブで空気圧を調整できるなど、セッティングもよりお手軽&簡単になっているのも嬉しい。
国産モトクロッサーでは装備していないセルスターターを標準搭載するのは相変わらずで、これがじつにありがたい。スリッピーなタイトターンでバランスを崩して転倒したのだが、セルボタンを押すだけでエンジンを再スタートでき、体力の消耗を減らすことができた。
リチウムイオンバッテリー単体でも1kgの軽量化を実現し、ますます戦闘力を上げている。
■5つ星評価
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
デザイン:★★★★
総合戦闘力:★★★★
オススメ度:★★★★
青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のモーターサイクルカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説している。現在多くのバイク専門誌、一般誌、WEB媒体で活動中。