クルマを洗っても古く見える原因は未塗装樹脂パーツやゴムモールの白化かもしれない。黒パーツを正しく復活させれば愛車の印象は大きく変わる。
◆未塗装樹脂パーツの白化が愛車の印象をぼやけさせる
クルマの外装は塗装部分が大部分を占めているものの、よく見ると樹脂パーツやゴムモールなど未塗装の黒パーツも随所に使われている。バン系グレードはもちろん、近年のSUVでも黒パーツの使用頻度は高く、面積も広がる傾向にある。しかも黒パーツはデザインの一部として存在感もそれなりにある。
しかしクルマを長期間乗り続けると、経年劣化によって黒樹脂パーツに色あせが発生しやすい。いわゆる“白ボケ”や“白化”と呼ばれる状態で、もともとは真っ黒だった樹脂パーツが白く粉を吹いたようにくすんでくる。これが単純な汚れではなく、表面そのものの劣化なのが厄介なところだ。シャンプー洗車をしてもきれいにならないケースが多い。
こうなるとボディの塗装部分をピカピカに磨き上げても、樹脂部分が白くぼやけているためクルマ全体に締まりがなくなる。これが「洗車したのにシャキッとしない」という視覚的なもやもやにつながっている。
◆黒樹脂パーツの復活には専用コーティング剤を使う
チェックしてみると、クルマに使われている樹脂パーツは意外に多い。ワイパーまわり、グリル、バンパー、ドアノブ、ドアミラー、フェンダーまわりなど、目につきやすい部分にも多く使われている。
そこで洗車とは別に、劣化した黒樹脂パーツをリフレッシュしてみよう。注目したいのは未塗装樹脂専用の復活コーティング剤だ。カー用品店には黒樹脂パーツ用のコーティング剤や復活剤が数多くラインアップされており、これらを使えば白化したパーツのツヤ復活も難しくない。
おおまかな作業手順はシンプルだ。
・洗車して樹脂パーツ表面の汚れを落とす
・水分をしっかり拭き取り、必要に応じて脱脂する
・専用コーティング剤を薄く均一に塗り込む
・余分な液剤を拭き上げてムラを防ぐ
・劣化が激しい場合は乾燥後に重ね塗りする
劣化が激しい黒樹脂パーツでは、復活剤を塗っても表面が吸い込んでしまい、すぐに黒さが戻らない場合がある。その場合は一度で仕上げようとせず、状態を見ながら数回に分けてコーティング作業を繰り返すのが効果的だ。黒々としたツヤが戻ると、フロントまわりやフェンダーまわりの印象が引き締まり、愛車全体が若返ったように見えてくる。
ただし注意点もある。塗装面やガラス、メッキパーツに液剤が付くとムラやシミの原因になることがあるため、必要に応じてマスキングをしておくと安心だ。また炎天下や高温時の作業はムラになりやすいので、日陰でボディが冷えた状態を選びたい。
◆ゴムモールは樹脂用ではなく対応品を選ぶ
黒樹脂パーツをリフレッシュしたら、もう少し踏み込んでゴムパーツにも注目してみよう。ガラスまわりのゴムモールやドアまわりのモールなど、外装には黒いゴムパーツも多く使われている。これらも経年劣化でくすみや白っぽさが出やすく、外観の古さにつながりやすい部分だ。
ただし樹脂パーツ用の復活剤をそのまま使えないケースもある。柔軟性のあるゴムにはコーティング被膜がうまくのらなかったり、製品によってはベタつきやムラが出たりすることがあるためだ。ゴムモールまでリフレッシュしたい場合は、未塗装樹脂とゴムの両方に対応するタイプ、またはゴム専用品を選ぶと良い。
黒樹脂パーツとゴムモールを比較すると、樹脂は白化や色あせ、ゴムはくすみや硬化が目立ちやすい。どちらも黒さを戻すことで見た目の若返り効果は大きいが、素材に合ったケミカルを使い分けることが失敗を防ぐポイントになる。
◆ダッシュボードや内装樹脂も黒さを整えると印象が変わる
黒パーツの復活メンテナンスは外装だけにとどまらない。内装にも劣化が進みやすい黒パーツがある。代表的なのがダッシュボードだ。直射日光を受けるダッシュボードは経年劣化で色あせが起こりやすい。少しずつ劣化するため気づきにくいが、新車時に比べると白っぽくなっていることがある。
そこでダッシュボードの黒さや落ち着いたツヤを復活させるアイテムを使って、美しい状態を取り戻したい。つや出し剤でも代用できるが、あまりピカピカに仕上げると走行中にフロントガラスへ反射して視界の妨げになる。ダッシュボードにはテカリを抑えた内装用保護剤や、しっとりとした自然な仕上がりの復活剤を選ぶのが良いだろう。
ダッシュボードはフロントウインドウ越しに車外からも見える部分なので、外観の美しさにも影響する。外装の黒樹脂パーツだけでなく、車内の黒パーツまで整えることで、愛車全体の清潔感がぐっと高まる。
さらに内装ではスカッフプレート、キックパネル、ドアの内張りなどにも樹脂パーツが使われている。これらは色あせよりも、靴でこすったキズや乗り降りの際についた汚れが目立ちやすい。そんな部分には内装樹脂パーツ用のキズ消し系コーティングやクリーナーを使うと、車内のリフレッシュ効果が高まる。
◆黒パーツ復活のメリットと注意点を知って愛車を引き締める
クルマには黒パーツやグレー系パーツが内外装の各部に使われている。黒樹脂パーツやゴムモールを復活させるだけで、クルマは見違えるようにリフレッシュする。ボディを磨くメンテナンスに比べると作業範囲は細かいが、視覚的な効果は大きい。
メリットは、白化した未塗装樹脂が黒く戻ることで外観が引き締まり、洗車後の満足感が高まることだ。SUVやミニバン、バン系モデルのように黒樹脂パーツの面積が大きい車種では、特に効果を感じやすい。
一方でデメリットや注意点もある。劣化が深い場合は一度の施工では復活しきれないことがあり、製品によって耐久期間や仕上がりのツヤ感も異なる。また塗りすぎるとムラやベタつきの原因になるため、薄く均一に塗って余分な液剤を拭き取ることが大切だ。
洗車時にプラスアルファのひと手間をかけて、ぼやけた黒パーツをリフレッシュする。白化を抑え、黒樹脂とゴムモール、内装パーツまで整えれば、キリリと引き締まった愛車の姿を取り戻せる。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後、出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も【請け負う】。現在もカーオーディオをはじめとしたライティングを中心に活動中。



