鉄道の災害運休区間、仙石線全通で400km割る…5月末

鉄道 企業動向

仙石線は5月30日に全線再開。今回再開した高城町~陸前小野間のうち陸前大塚~陸前小野間は内陸側の高台に移設する形で復旧した。写真は陸前大塚~東名間に新設された高架橋を走る電車。
  • 仙石線は5月30日に全線再開。今回再開した高城町~陸前小野間のうち陸前大塚~陸前小野間は内陸側の高台に移設する形で復旧した。写真は陸前大塚~東名間に新設された高架橋を走る電車。
  • 仙石線は5月30日に全線再開。今回再開した高城町~陸前小野間のうち陸前大塚~陸前小野間は内陸側の高台に移設する形で復旧した。写真は野蒜~陸前小野間に新設された高架橋。
  • 仙石線は5月30日に全線再開。今回再開した高城町~陸前小野間のうち陸前大塚~陸前小野間は内陸側の高台に移設する形で復旧した。写真は野蒜~陸前小野間に新設された高架橋を走る電車。
  • 気仙沼線と大船渡線は、路盤の一部をバス専用道に改築して代行バスを走らせるBRTの暫定運行が続く。写真は気仙沼線BRTの専用道。
  • 気仙沼線と大船渡線のBRTは鉄道復旧までの暫定策という位置づけで導入されたが、JR東日本は自社単独で復旧費を負担するのは困難との見方を示している。写真は気仙沼線BRTの陸前階上駅。
  • 5月末時点の災害運休区間。全体の距離は400kmを割り込んだ。
災害による鉄道路線の長期運休区間は、5月末時点で計394.3km。東日本大震災で一部運休が続いていた仙石線の全線再開により、400kmを割り込んだ。

■JR北海道 日高本線 鵡川~様似(北海道) 116.0km
今年1月に発生した低気圧による高波の影響で、厚賀~大狩部間の線路脇の土砂が削り取られたため運休中。バスによる代行輸送が行われている。JR北海道は自社単独での復旧を事実上断念しており、仮に公的な支援を受けても再開までには4年程度かかる見込みだ。

■JR東日本 山田線 宮古~釜石(岩手県) 55.4km
2011年3月に発生した東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。代行輸送は行われていないが、岩手県北バスと岩手県交通の路線バスが並行して運行されている。三陸鉄道が列車の運行を引き継ぐことを条件に復旧が決まり、今年3月から工事に着手した。

再開時期は未定だが、JR東日本が沿線自治体に示した工程素案では、宮古~豊間根間と鵜住居~釜石間を2016年秋までに再開し、豊間根~吉里吉里間を2017年度内に再開。最後の吉里吉里~鵜住居間は2018年度内に再開させるとしている。

■JR東日本 大船渡線 気仙沼~盛(宮城県・岩手県) 43.7km
2011年3月に発生した東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。JR東日本は2013年3月からバス高速輸送システム(BRT)を導入し、線路敷地の一部を活用したバス専用道を整備して代行バスを走らせている。

現在のBRT運行区間は気仙沼~盛間(長部経由)と鹿折唐桑~上鹿折間、陸前矢作~陸前高田間。このうち気仙沼~鹿折唐桑駅付近間2.3kmと竹駒駅付近0.5km、小友駅付近~大船渡~盛間13.2kmは専用道を走行する。ただし大船渡駅付近は土地区画整理事業の実施に伴い、現在は一般道経由に変更されている。

今年6月5日に開催された沿線自治体首長会議で、JR東日本は脇ノ沢・小友両駅を内陸側の高台に移設する復旧案(約400億円)を提示しつつ、移設による増額分(約270億円)の負担は自社単独では困難との考えも示した。JR東日本は7月下旬の次回首長会議で具体的な方針を示す模様だ。

■JR東日本 気仙沼線 柳津~気仙沼(宮城県) 55.3km
2011年3月に発生した東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。2012年8月からBRTを導入し、線路敷地の一部を活用したバス専用道を整備した。

BRTは気仙沼線の不通区間と同じ柳津~気仙沼間で運行されており、志津川~清水浜間の中間部や不動の沢~気仙沼間などは専用道を走行。それ以外は一般道を走る。ただし志津川~清水浜間は早朝や夜間の一部を除いて専用道を通らず、一般道区間に設置したベイサイドアリーナ駅を経由する。今年6月27日からは、BRTの運行区間が前谷地~気仙沼間に拡大する予定。前谷地~柳津間は鉄道とBRTが並行して運行されることになる。

一方、6月5日に開催された沿線自治体首長会議で、JR東日本は復旧に約700億円かかるとして自社単独での負担は困難との見方を示した。JR東日本は7月下旬の次回首長会議で具体的な方針を示す模様だ。

■JR東日本 常磐線 竜田~原ノ町(福島県) 46.0km
2011年3月に発生した東日本大震災による福島第一原子力発電所事故の影響で運休中。途中の夜ノ森・大野・双葉各駅は帰還困難区域、富岡・浪江・桃内・小高・磐城太田各駅は避難指示解除準備区域になっている。

並行する国道6号は2014年9月15日、自動車で通過する場合に限定して通行規制が解除されている。これを受けてJR東日本は今年1月31日から代行バスの運行を開始した。途中駅は全て通過している。

国土交通省は今年3月、この区間の再開時期の見通しを示しており、竜田~富岡間は「3年以内(2018年まで)をめど」、浪江~小高間は「遅くとも2年後(2017年)」、小高~原ノ町間は「2016年春まで」に、それぞれ再開の見込みとしている。帰還困難区域の富岡~浪江間も今夏には再開時期が示される見込み。

■JR東日本 常磐線 相馬~浜吉田(福島県・宮城県) 22.6km
2011年3月に発生した東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。バスによる代行輸送は不通区間より広い相馬~亘理間で行われており、宮城方の列車とバスの乗換地点も浜吉田駅ではなく亘理駅となっている。ルートを内陸側に移設する工事が進められており、2017年春にも列車の運行が再開される予定。

■JR東日本 只見線 会津川口~只見(福島県) 27.6km
2011年7月の豪雨で橋桁が流失するなどの被害。バスによる代行輸送が行われている。この区間はもともと利用者が極度に少なく、JR東日本は今のところ復旧の可否を明らかにしていない。

■大井川鐵道 井川線 接岨峡温泉~井川(静岡県) 10.0km
2014年9月の大雨で土砂崩れが発生し、末端側の接岨峡温泉~井川間のみ運行を見合わせている。復旧には相当な時間がかかる模様。

■JR東海 名松線 家城~伊勢奥津(三重県) 17.7km
2009年10月の台風18号により橋台の流失や土砂の流入などが発生。バスによる代行輸送が行われている。JR東海は当初、鉄道を廃止する方針を打ち出していたが、関係自治体が鉄道施設周辺の治山事業などを実施することを条件に復旧の方針に転換。2013年5月から工事に着手した。2016年春に再開する見込み。

◎再開:JR東日本 仙石線 高城町~陸前小野(宮城県) 10.5km
2011年3月に発生した東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。ルートを内陸側に移設する形で復旧工事が進められ、5月30日に再開した。
《草町義和》

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