日本一の急勾配、大井川鉄道の90パーミルを歩く アプト式35周年でツアー企画

アプト式区間を上る列車
  • アプト式区間を上る列車
  • アプト式区間の線路
  • アプト式電気機関車ED90形
  • アプト式電気機関車運転台
  • アプトいちしろ機関庫(イメージ)

大井川鉄道は、井川線(静岡県)のアプト式が2025年10月2日に開業35周年を迎えることを記念し、特別ツアー「アプト開業35周年記念 90‰線路ウォーキング&アプト機関車体験教室」の参加者を募集している。90‰(パーミル)とは、水平距離1000mあたり90mの高低差。

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同ツアーは、普段は立ち入ることのできないアプト式鉄道の「裏側」を体験できる特別企画だ。参加者は普通鉄道で日本一の急勾配である90‰線路を実際に歩いて体感したり、日本唯一のアプト式機関車の運転台や歯車を間近で見学したりすることができる。

ツアーの主な内容は3つのポイントで構成される。まず、アプトいちしろ駅から長島ダム駅までのアプト式区間の線路を実際に歩く体験で、線路に設置された歯形のレール(ラックレール)を間近で見学し、90‰の急勾配を体感できる。

次に、アプトいちしろ機関庫見学では、ピットの下から電気機関車の歯車を観察したり、運転台を見学したりする。運転台では汽笛を鳴らす体験も可能で、日本で唯一のアプト式機関車の細部を見学できる貴重な機会だろう。

さらに、参加者にはオリジナルデザインのヘルメットとスマートフォンストラップが記念品として贈られる。

「アプト式」は、普通鉄道日本一の急勾配を上下するため、井川線アプトいちしろ~長島ダム間で採用されている線路・車両の仕組み。線路中央に敷設された歯型レール「ラックレール」とアプト式電気機関車の歯車「ピニオンギア」がかみ合うことで、車輪が滑ることなく坂を登り降りする。

長島ダムの建設に伴い、線路を付け替える必要が生じ、その新しい区間に90‰勾配ができた。この急勾配を克服するため、1990年10月2日に新線開業と同時にアプト式での運行を開始した。

ツアーは10月2日に実施され、千頭駅を10時05分に出発し、16時24分に同駅で解散する行程。旅行代金は1名3万5000円(消費税込)で、募集定員は10名だ。安全上の理由から、参加は18歳以上の成人に限定される。

申込みは大井川鉄道のホームページのオンラインフォームで抽選受付となり、受付は9月5日から始まっており、10日23時59分まで。

《レスポンス編集部》

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