【新聞ウォッチ】 超円高、民主乱立代表選、アウディゲットのなでしこ

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年8月22日付お盆休みスペシャル

お盆休みは終わったものの、節電対策による木・金の振り替え休日を続けている自動車業界では、いつもの生活リズムが乱れて仕事への意欲がイマイチわかないという人も少なくないようだ。しかし、この一週間、世界の金融市場を震撼させた衝撃的なニュースが相次ぎ、その動揺が収まる気配もみられない。

米株式相場の乱高下や欧州株の急落に続き、19日朝(日本時間同日深夜)のニューヨーク外国為替市場で円相場が一時、1ドル=75円95銭まで急伸、東日本大震災直後に記録した過去最高値(76円25銭)を約5か月ぶりに更新した。20日の各紙朝刊は1面トップで「円最高値75円95銭、NY欧米経済先行き懸念」(読売)などと報じた。

超円高への懸念材料ばかりではない。日本株相場の下落も続いている。19日の日経平均株価の終値は前日比224円安の8719円で、大震災直後以来約5ヵ月ぶりの安値を付けた。トヨタ自動車の終値が2747円、ホンダも2393円と大幅な安値となった。

そんな中、退陣を控えた菅首相と首相官邸の対応の鈍さが際立っていると、読売が20日夕刊の1面トップでが伝えた。永田町周辺では金融緩和や円高対策そっちのけで、月内にも行われる民主党代表選の立候補者をめぐる話題で持ち切りだ。きょうの各紙にもキーマンの1人である「前原氏出馬論強まる」(朝日)などと取り上げているが、政策よりも党内事情を優先するドングリの背比べのような乱立代表選では興味が薄れる。

「民主党代表選」や「超円高」以外でショッキングなニュースといえば、17日に発生した天竜川での川下り船転覆で5人が死亡した事故である。「川下りのスリルを味わう歓声が、一瞬のうちに悲鳴に変わった」(毎日=18日朝刊)などと伝えていたが、救命胴衣着用の有無も問われた。

さて、お盆休み中の自動車関連の記事である。経済産業省と国土交通省が2012年度をめどに導入する乗用車の新たな燃費基準の原案を発表。それによると、燃費目標を2020年度までに09年度の実績値に比べて24.1%改善することを義務づけるなど、自動車会社ごとに、全車種の販売台数の平均値で基準達成を判断する。

新基準の燃費目標は、ガソリン1リットルあたり20.3kmとなり、09年度の走行実績値の同16.3kmから大幅な改善を求めるものだ。日経が発表当日の19日朝刊1面トップで一足早く報じたほか、各紙が発表後の20日朝刊で取り上げた。

各メーカーにとっては人気車種の燃費改善に力を入れれば達成しやすくなる制度で、きょうの各紙にはダイハツが「もうすぐ第3のエコカーがやってくる」というキャッチコピーの全面広告を掲載。新燃費測定モードで「リッター30km」、価格も「79.5万円から」というのも興味深い。

一方で、スズキはインドで新興国向け低価格乗用車の開発を始めたと、きょうの朝日が報じている。生産、販売ばかりでなく、最近の超円高も背景に、研究開発まで現地化するのがミソである。

このほか、17日の読売朝刊は「日産自動車が取締役や海外法人の社長な上位幹部100人の過半数を2016年度までに外国人にする方針を固めた」と取り上げている。また、最近はホンダの2足歩行ロボット『ASIMO』の話題が少なかったが、朝日は12日夕刊1面トップで「改良型のアシモが福島原発事故現場に投入される可能性が出てきた」と報じた。

明るいニュースではサッカーの女子ワールドカップ・ドイツ大会で初優勝し、国民栄誉賞に輝いた「なでしこジャパン」だが、アウディジャパンが日本代表メンバーと佐々木則夫監督に、『A1』を1台ずつ計22台、3年間無償でレンタルするという。19日の読売朝刊などが取り上げているが、同社は、サッカー日本代表を支援するサポーティングカンパニーだそうだ。来週後半からは中国でロンドン五輪アジア最終予選がで始まる。民主代表選の“お口直し”にもなりそうな「なでしこフィバー」はしばらく続きそうだ。

《福田俊之》

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