ケータイからナビへ目的地をBluetooth転送
----:先日シャープとパイオニアが発表した、ケータイ/カーナビの通信規格であるフォトリモ@ナビにも対応したというニュースもありましたね。
秋本:ケータイ地図サイト「iMapFan地図ナビ交通」でダウンロードした画像に含まれている位置情報を、そのままBluetoothでナビに自動で転送され目的地として利用できるようにするというものです。iMapFan地図ナビ交通でスポットなどを検索した後に、地図ページからダウンロードできます。
----:市販ナビのナンバーワンと携帯電話のナンバーワンとが協業した形ですね。ケータイおよびカーナビのフォトリモ対応機種について教えてください。
秋本:ケータイは先日登場したドコモの夏モデル『SH-06A』『SH-07A』、カーナビはパイオニア カロッツェリアの『サイバーナビ AVIC-VH9900/ZH9900/H9900』です。対応機種は順次拡大していく予定です。また、フォトリモはオープンな規格という位置づけですのでシャープやパイオニア、(そのグループ会社である)iPCだけでなく、さまざまな端末メーカーやコンテンツプロバイダに対しても仕様公開していきます。
----:GPSケータイで撮影した写真などはExifへ緯度経度を埋め込まむことができますが、今後はデジカメにもGPSが付く時代になり、フォトリモ@ナビのような位置情報ソリューションはさらに広がっていきますね。
◆横画面でナビークルの良さが生きる
----:昨年秋に実施したバージョン3リリースで横画面対応しました。
秋本:“まるでカーナビ”というキャッチコピーで宣伝しています。
----:多くのケータイカーナビアプリは、ケータイ専業のコンテンツプロバイダが手がけているのに対して、iPCは元からカーナビ用の地図を提供するメーカーとして生まれたという、成り立ちの違いがあります。横画面が主流になるのは望んでいたことだったのでは?
秋本:カーナビ用のデジタル地図を作ってきた強みを発揮できる環境になりつつあるのは確かですね。いまのケータイは解像度が縦に伸びていますので、横画面にした場合にラリービューのスペースが生きてきます。また高精細の液晶は質感の高い地図を見せることに役立っています。
----:ナビークルはカーナビの一種の理想を体現しているサービスです。データは全てサーバ側に置かれ、POIや地図データは常に最新のものが利用できます。初代エアーナビ(AVIC-T1)の正統な後継とも言えます。その意味ではいまのエアーナビ(AVIC-T10/T20)よりも、エアーナビらしい(笑)。初代が出た時に比べて、通信はより速くなり、液晶はより高精細になってリッチな表現も可能になりました。
秋本:初代エアーナビの運用体制やシステム周り、たとえばサーバーワークなどナビークルに受け継がれてきたものは少なからずあります。また、ナビゲーションの根幹である地図データの部分、道路のネットワークデータについては共有しています。
----:ローカルにストレージを抱えざるを得ないPNDとは違って、検索データなどの容量を気にせずに突っ込めますからね。
秋本:フルナビ相当のデータ量を扱えるのはケータイならではの特徴ですね。通信を介する為、地図表現は若干シンプルなものになりますが、それでも詳細市街地図は全国規模で展開しています。