キリリとハンサム、エクステリアがカッコ良い!また、インテリアもメタル調のシルバーと黒のツートンでキメ、スポーティかつ品の良いもの。
ダウンサイジングとよくいうけれど、いざ本当にそうしようと思っても、なかなかめぼしいコンパクトカーがなかったりする。定番過ぎるか、流行りのレトロモダンか、子供だましのホットハッチ風 or 小さな高級車風か。『プリウス』が売れるのも仕方ない。
セダンドアの小さなミニバン市場がシュリンクするなか、それでも選ぶという人の購入にいたるハードルは、今後いっそう高くなっていくように思う。サイズだけが取り柄ではいけない、ということ。
最新のクルマで印象に残っているのは? と聞かれて即答できる1台が『クーガ』である。スポーツワゴンふうのクロスオーバー、といったカジュアルなスタイルが親しみやすい。
『クーガ』の基本メカは、「最高のホットハッチ!」とボクを感動させた『フォーカスST』と共通だから、走りのよさは乗る前から想像できたこと。でも……現実は想像を超えていた。
ドイツで生産される『クーガ』は、どこかビシッとした雰囲気をまとっている。クーペのような流麗さと、SUVのダイナミック感がギュッと凝縮したようなスタイリングは、現代を生きる女性にもすんなり似合いそう。
アメリカとヨーロッパの両方に開発拠点を持つフォード。それ故に「ブランドイメージが見えにくい」というネガな意見も聞かれるけれど、逆にいい面もある。それを『クーガ』に乗って思い知らされた。
何しろ走りがいい。『フォーカス』(最新型は日本未導入)由来のSUVだけあり、走りっぷりは、とにかくスカッ!と爽快。コンパクトなボディサイズで、着座位置は適度な高さながら、クルマの重心が低く安定した印象で、高速走行時の直進性の高さもシッカリと感じられた。
ダッシュボード中央にある「フォードパワー」スタートボタンを押してエンジンスタート。Dレンジに入れて走り始めるとすぐに、しっかりしたサスペンションで走りやすいことが判る。
最新モデルの、それも自動化を導く安全先進装備や複雑なエコ系システム、目には見えない電子制御装置などではなく、純然たるパフォーマンスで、まだまだ“驚かされる”余地があったとは…。