【ボルボ V60 試乗】セダンと変わらぬ軽快な走り…松下宏

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ボルボ V60
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2011年1月に発表された『S60』をベースに作られたエステートの『V60』が追加された。これまで10の位に偶数を使うのはセダン系の車名だったが、今回はV60というエステートが登場した。

ボルボのエステートというと、ステーションワゴンとしての使い勝手が優先されるのが普通だが、今回のV60では必ずしもそうしたクルマ作りではなく、スタイリッシュな外観デザインやスポーティな走りなどに重きを置いたクルマ作りがなされている。

結果として得られた走りはS60とほとんど変わるところがない。というか、何も知らずに乗せられたらS60とV60を判別できるかどうか、それくらいの仕上がりだった。

エステートというと、どうしても後部のボディが重くなるほか、リヤに大きな開口部があることが走りのフィールに影響しがちだが、そのようなネガティブな感覚は全く感じられなかった。

S60に対してV60はエステートボディにもかかわらず車両重量の増加はわずか20kgでしかないので、重さが走りに与える影響は体感できるレベルではない。またリヤの開口部回りも補強による剛性アップが徹底されていて、走りのフィールに変化がなかった。軽快感のあるスポーティな走りを感じさせるのも当然といった感じである。

搭載される1.6リットルの直噴ターボ仕様は、V60のボディに対してちょうど見合った動力性能。絶対的なパワーはさほどでないが、240N・mのトルクが余裕の走りを感じさせる。6速のツインクラッチは低速域でのギクシャク感を感じさせることなくスムーズな走りを実現する。

3.0リットルターボはパワフルな実力を持ち、豪快な加速フィールを味わわせてくれる。3.0リットル車は4WDなので車両重量も重くなるが、重さなどは問題にしない実力である。

足回りは意外なくらいに柔らかめの設定で、乗り心地を重視した印象。コーナーではそれなりにロールも出るのだが、懐の深さを感じさせながら緩やかにロールしていくので安心感がある。

『XC60』やS60と同様に、シティセーフティを始めヒューマンセーフティなどの最新の安全装備が標準またはオプションで設定されている。V60で「Rデザイン」以外のグレードを選ぶなら、セーフティパッケージとナビゲーションパッケージを選ぶのは必須といえるだろう。

ベースグレードの「DRIVe」にこのふたつのパッケージオプションを装着しても、価格はまだ400万円台前半。このクラスの競合車に比べるとかなり安めの価格設定で買い得感を感じさせる。S60との20万円の価格差も納得モノである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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