プジョーが手がけた初のSUVとしての出来栄えも気になるところだが、このクルマに接して感じたのは、プジョー車としての新しいフェイズに入ったクルマであるということだ。
『ポロ』をベースにルーフレールやオーバーフェンダーなどSUVテイストを盛り込んだ外装や専用のデザイン(カラー)のシートなどによって個性化を図った『クロスポロ』。
『XC60 T5』に搭載の直列4気筒2.0リットルエンジンは、ボルボとして初めて直噴ターボを採用した。従来T5は、直列5気筒エンジンにターボを装着したモデルに使われていたグレード名だが、今回は4気筒なのにT5の名前が使われた。
今では日本の自動車メーカーが作らなくなってしまった本格的な2ドアクーペのスポーツモデル。前後のピラーを結ぶアルミナムアーチや運転席と助手席のルーフ部分を盛り上げたダブルバブルルーフなど、ほかのクルマにはない特徴的なデザインが採用されている。
コンパクトカー随一の評価を受ける『ポロ』ベースの企画商品。唯一の難点(ほとんど難癖)はといえば、真面目に過ぎる雰囲気だと思っていた。その点、クロスポロは適度に遊びが利いている。
ミドルクラスのプレミアム系SUVがアツい。2009年、ボルボは『XC60』を日本市場に投入。ただ、3リットルの直6ターボエンジンを積む「T6」しかなくライバルのBMW『X3』やアウディ『Q5』と比べ額面上の価格競争力(内容を考えればお買い得)では少しばかり苦戦。
『3008』におけるクロスオーバーの意味は、プジョーらしさとアウトドアテイストの融合ではないかと思った。
予想以上によかった。このクルマでは、やはり「ゼニスウインドウ」に触れずにいられないわけだが、乗ると未知なる感覚で、サンルーフよりこっちのほうがよっぽどいいと思う。
プジョー『308』の派生車である『3008』はいわゆるハッチバックとSUVをクロスオーバーさせた、3桁シリーズとは違う、かつてあった『1007』同様の個性派モデル。
メーカー/インポーターは「クロスオーバー」と言うけれど、これ、「○○とSUVを融合したクルマ」とは思えない。ボディ前後の裾にスキッドプレート風のシルバー加飾を備えるのが、SUV的な逞しさの唯一の演出だ。