期待と予想を超えていた——これが、欧州製フォード車として久々に日本の地を踏んだ『クーガ』の走りに対する、率直な印象だ。
ぎゅっと凝縮されたフォルムに動きのあるラインが加わることで躍動感を感じさせるデザイン。ヨーロッパで鍛えられた走行安定性。さらに、フォード・グループとハルデックスが共同開発した応答性の高いオンデマンド4WD機構が加わったのが、フォード『クーガ』だ。
軽量化されたといっても、SUVは車重がかさむだけに発進時のエンジン負荷が大きくなり燃費も悪化する。そんな場面で、モーターが本領を発揮。
BMWの次期型『6シリーズ』は、クーペに先行してカブリオレから市場に投入される。その時期は2011年3月以降となり、北半球ではフルオープンで走る爽快感が満喫できる季節と重なるからだ。
背は高いし、デザインもSUVチックだが、『クーガ』はワゴンのように正確なハンドリング性能と軽快なフットワーク、そして高い剛性感を身につけている。
“MINIが欲しいけど、2ドアとサイズがちょっと”、という人には本来、MINIを勧めなくていいし、だからこそMINIの価値があるのだと思っていたのだけれど……。ああ出ちゃったね、というのが正直な感想だ。
ミニバン戦国市場の日本において、求められるものは、シートアレンジの多彩さ。でも、このところ、ひとりで乗ってもちゃんと走るクルマが求められてきた。
キリリとハンサム、エクステリアがカッコ良い!また、インテリアもメタル調のシルバーと黒のツートンでキメ、スポーティかつ品の良いもの。
ダウンサイジングとよくいうけれど、いざ本当にそうしようと思っても、なかなかめぼしいコンパクトカーがなかったりする。定番過ぎるか、流行りのレトロモダンか、子供だましのホットハッチ風 or 小さな高級車風か。『プリウス』が売れるのも仕方ない。
セダンドアの小さなミニバン市場がシュリンクするなか、それでも選ぶという人の購入にいたるハードルは、今後いっそう高くなっていくように思う。サイズだけが取り柄ではいけない、ということ。