ダウンサイジングの波はさらに進み、グローバルでは3気筒1.0リットルターボが下限になりつつある。フォードのそれはフォルクスワーゲンの4気筒1.2リットルターボ+7速DCTとは一味違う、実用走行域における分厚いトルクフィールが特徴だ。
10年前に一世代前の『フィエスタ』に初めて乗ったときも、見た目は地味ながら、走りの仕上がりが素晴らしいことに驚かされた。予想をはるかに超えていたのだ。当時の『フォーカス』や『モンデオ』に乗っても同様に感じた。
久方ぶりに日本へ再導入されたのがフォードのエントリーモデル、『フィエスタ』だ。一昨年にマイナーチェンジされ、「キネティック(躍動的)デザイン」と呼ばれる独特のアグレッシブでお洒落なスタイリングとなり、魅力度一杯な5ドアハッチ。とにかく、カッコイイ。
フォードの主力コンパクトである『フィエスタ』がフルモデルチェンジし6代目となった。新しいフィエスタはヨーロッパ中心のモデルを脱却し、真の意味でのグローバルカーを目指している。
トリビアだが、フロントナンバープレート下のレーダーセンサー部が見かけ上、角型の平面シールドに変わった(当初は半球形のレンズが見えていた)のが、『ゴルフ』最新モデルの証だ。
結論から言うと、フィエスタはかなりマニアックなクルマに仕上がっている。フォードブランドのBセグメント(コンパクトカー)というポジションもそうだし、997cc、3気筒という直噴式ターボユニットもそうだ。
フォードのフィエスタは日本では存在感の薄いクルマでしかないが、世界的に見ればクラスナンバー1で、総合でも車名別世界6位の売れ行きを示すコンパクトカーである。
1Lのコンパクトカー。こう聞いて、誰がこの走りを予想できるだろう?
1976年の初代以来、歴代『フィエスタ』というとケレン味のないスタイルが“キャラ”だった。ところが最新のキネティック(動的な、躍動感ある)デザイン採用の新型は、小さいながらも気迫満々…といった印象。上級車の『フォーカス』に優るとも劣らない存在感だ。
VWの新型『ゴルフ ヴァリアント』はワゴンとしても本格的な一台だ。