ドアハンドルは車両に近づくとニョキッとボディからせり出す。これを手前に引けばドアは開き、本革の豪華な内装とiPadよりもさらに大型の巨大ディスプレイをセンターコンソールに持つインテリアが目に飛び込む。すでにその時点でready to go。あとはメルセデスと同じ(というかパーツ自体はメルセデス?)ステアリングコラムから生えるレバーをDのポジションに入れれば、あとはアクセルを踏むだけである。アクセルレスポンスはすこぶる良くて、グリップ力のある路面だとさぞやガツンとくる加速を見せるだろうなぁと想像できるが、ここは音もなくするするとスタート。しかし、すでに黒く輝く氷面が顔をのぞかせているコースは、ほんのわずかにアクセルを開けてコーナーを脱出しようとしただけでガガッという音とともにトラクションコントロールが作動してしまうほど路面は滑りやすい。しかし、このトラクションコントロール、非常に安全マージンが大きくて、一般ドライバーがドライブするには非常に重宝すると感じられた。モデルSはエアサスペンションを装備する。車高をロー、スタンダード、ハイ、ベリーハイの4段階からセレクトすることができ、今回はスタンダードとハイをチョイスしてドライブしたが、路面が荒れていたこともあって、あまり乗り心地の明確な違いは分からなかった。