日本に導入されるフォーカスのエンジンは自然吸気であるが、トランスミッションのおかげか走った印象は軽快で、新しい感覚の乗り物に乗っている印象がある。
初めてのフルモデルチェンジを経てますますスタイリッシュになったルックスには、「ホイールベース60mmの延長」が効果大。
日本に導入されているのは2.0リットル直噴エンジンにデュアルクラッチ6速ATを搭載した5ドアハッチバックの1車種のみ。このクラスではダウンサイジングされたターボエンジンモデルが多数存在するが『フォーカス』は2.0リットルのNAエンジンのみだ。
試乗車は2013年2月登録の最新の個体。現在の『フィアット500』の主力であるツインエアの上級グレード「ラウンジ」だ。
パッと目を惹きつけながらも、『フォーカス』のデザインはメルセデス・ベンツ『Aクラス』やボルボ『V40』ほど目立ちすぎない。
2300mmのホイールベースは先代(や『フィアット500』)と同じ。骨格などチラ見した限り「ビッグマイナー版でしょ!?」と思えた。が、走らせて“生まれ変わったこと”を実感させられた。
すっかりATが当たり前となった日本の自動車市場。なんとベンツにはずっとMTの設定がなく、この『SLK』の6MT仕様はじつに21年ぶりに正規輸入されたMT車だというのだから驚きだ。
走り出した瞬間「あ、フォーカスだ」と思った。そう感じさせる新型『フォーカス』に乗り、このクルマの“ブレのなさ”を実感した。
デザインはもう少しすっきりしてほしいと思うし、293万円という価格はCセグメントの輸入車としては高めじゃないの?という気もする。でもこれまで体験したヨーロッパ・フォードの例に漏れず、乗るといい。
型式N47D20C型、2リットル直列4気筒DOHCツインパワー・ターボ・ディーゼル。『3シリーズ』などにも搭載されるこのエンジンは、日本のポスト新長期規制にも適合する。