先代の反省が生きているモデル。トヨタの『クラウン』は伝統があるだけにそれを打ち破るのは難しい。しかしそうした概念を打ち破ったのが先代の“ZEROクラウン”だった。
高級感がアップグレードされ、これまでのコンサバなイメージとは一線を画した感がある。
『A4』のデザインが激変した。一言でいえば、スマートになったのだ。ボディサイズが大きくなり、伸びやかさが得られたことも一因になる。だが、主因は別にある。
前輪位置が“前出し”され、グンとかっこ良くなった新型『A4』。もっとも、そんな“大手術”はこのブランドが流麗なクーペ・プロポーションを手に入れる目的で行われたはず。
アウディファミリーを象徴するダイナミックな縦長のラジエターマスク、シャープなエッジの『A4』はモダーンで大人びた装いだ。
アウディ『A4』のスリーサイズは全長4703mm・全幅1826mm・全高1427mm(欧州スペック)でプレミアム・アッパーミドル・クラスのライバル、BMW『3シリーズ』そしてメルセデスベンツ『Cクラス』の中ではもっとも大きい。
僕は新型『C5』に期待した。先代はクラスのライバルと比較すると確かに存在感が薄かった。フランス以外の国で先代を買ったのは、数が限らたシトロエンマニアだろう。新型の目的一つはC5をメジャープレーヤーにすること。
シトロエンはちょっとアバンキャルド(都会的)なブランドだ。今回の『C5』はスタイルも精悍だが、走りもずば抜けた快適性を持っている。
シトロエン『C5』の素晴らしさは窒素ガスを使った気体サスペンション、「ハイドラクティブ」を抜きには語れない。これに電子制御によるアクティブ制御は「お節介」な感覚が全くなく、とても自然な感触がある。
Dr.ピエヒはアウディの副社長だったころお忍びで来日し数々の日本車を試乗し、アウディは作り込み品質をトヨタ車の水準以上へ引き上げることを目標に掲げた。最新の『A4』を含めアウディ車の仕上げ品質、質感は日本車を凌駕している。