次期『プリウス』はボディが少し大きくなり、エンジンの排気量が増え、タイヤも大きなサイズが装着される。排気量の拡大が燃費の向上につながるという説明は理解できなくもないが、プリウスに限らずクルマが大きく重くなることに対して私は異議を唱え続けている。プリウスならなおのこと抑制を効かせることができなかったか。
とはいえ、新しいプリウスの走りは全体に良くなった。限られた条件でのプロトタイプ車の試乗でもその良さは十分に体感できた。発進時のEVモードは静かで滑らかなものだし、回生ブレーキもほとんど違和感が感じられない。さらにECOモードやパワーモードによって状況に応じた自在な走りが可能である。
とりわけ停車時にほぼ確実にエンジンが停止し、発進時にモーターだけで静かに走り出していくとき、フルハイブリッドのクルマに乗っていることの良さを実感させられる。さらに良くなった燃費性能と合わせ、プリウスらしさがいっぱいに表現された。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。