新型『A4』は、シャシー、エンジン、サスペンションのすべてが改められた。それによって大きく改善されたのが走りっぷり。ドライバーの操作にダイレクトに反応し、キビキビと走る。乗り心地も当たりが柔らかく、上質になった。
あのー、『C6』の立場はどうなるの? 新型『C5』に乗って、そんな素朴な疑問を抱いた。C6に比べたら、C5は普通っぽく思えるかもしれない。でも、あなどるなかれ。「らしさ」はちゃんと踏まえているのだよ。
2世代目に進化したシトロエン『C5』。スタイリングを見てまずは「こうきたか〜」と思った。というのも、先代までのイメージを残しつつ、『C6』のテイストをうまく取り入れているからだ。
新しい『A4』の魅力は前後の重量バランスを大幅に改善させたことだろう。もちろん従来のA4でも普通の道路を走っている限り何ら問題ない。
アウディ『80』から数えて8代目になる『A4』は、モデルチェンジを機にボディサイズを兄貴分の『A6』並みに拡大した。押し出しが強くなり、風格も増したが、日常の取り回し性は今一歩だ。
新型アウディ『A4』最大の変更ポイントはパッケージングの見し。フロントサスペンションとエンジン搭載位置の関係を改め、ロングホイールベース化している。フロントミッドにエンジンをマウントすることで、クルマの中心に近いところに重い物を集めるということだ。
従来の『A4』のスタンダードモデルはカチリとしているが中庸な4ドアセダンだったが、新型では一変してスポーティなセダンに変身した。
運転席に乗り込むと、アウディならではのクォリティが表現されたインテリア空間が広がる。インテリアの質感では、最近はほかのメーカーの追い上げも著しいが、アウディは『A4』でまた一歩先に進んだ感じがある。
シングルフレーム・グリルがうまく溶け込んだフロントビューもさることながら、新型『A4』はリアビューがいい。優等生っぽい一方であまり主張のなかった先代と違い、ちょっとワルっぽい横長のテールランプをうまく配置したところに魅力を感じる。
今年乗ったミドルサイズカー(欧州Dセグメント)の中では秀逸の一台。