「D:5」。なんだなんだ画期的な直噴エンジンでも載せたのか、と思ったら、「デリカの5代目」だって。なんか「くわしくは検索で」みたいなひっかけモデル名である。と思ったら、乗るとなかなかイイ。
試乗したのは、量販モデルのシエロと、高性能版のGTだ。共通していえるのは、ひとまわり大きくなったボディ内外のクオリティが上がったこと。とくに内装は、『206』から『307』になった感じだ。
すでに定評のあるインフィニティ『G35』として、米国市場の稼ぎ頭になるクルマである。ますますアメ車なんだろうなと、あまり期待せずに乗ったら、意外や武闘派のスポーツセダンだった。
3列シートのミニバンでSUV的な走破性も備える『デリカD:5』は、ほかのクルマにはない魅力を備えるものの、車両重量が重くなるのはデメリットとなる部分。
2004年5月にデビューした『エリシオン』に2006年12月のマイナーチェンジで追加されたのが3.5リッターエンジンを搭載する『エリシオン プレステージ』。
アウディがアメリカの金持ちユーザー向けに開発したクルマで、とにかく大きくて重いうえに価格も高い。大げさにいえば山のようなクルマである。
いやはや、これほどまでに速さを追求されると、おもわず腰を抜かしそうになる。ベースはごく平凡な4ドアセダンだというのに、エンジンに鞭をくれて走り出せば、ほとんどレーシングカーの世界に引き込まれてしまうのだ。
モデルチェンジしたのに、見た目はこんなに変わらなくて、しかし乗ると、こんなに変わったクルマも珍しいのではないか。
プジョーといえば“猫足”という言葉に象徴される乗り心地のよさが特徴だったが、新しい『207』ではけっこう硬めの乗り味が印象的だ。
比較的小さめのボディのなかに、3列シートとSUVの機能を組み合わせたのは新しい発想。やや上級のモデルとして三菱『デリカD:5』があるが、デリカとはクラスと機能の違いから競合しないだろう。