初対面のトヨタ『iQ』は思っていた以上に小さかった。全長は360cc時代の軽自動車サイズだ。ただし、全幅は小型車枠ギリギリの1680mmまで広げられている。驚かされたのはドアの大きさだ。
事前情報だけの時点では、デザインや話題性優先のキャラクターグッズ的なイメージを抱いていました。でも実際に触れてみると、トヨタ『iQ』はクルマとして真面目に造られ、完成度も高いと強く感じました。
新しい乗り物に出会った気分。でも縦横どちらから眺めたところで、後席は飾りにしか見えないな〜? と思っていたら、意外と座れちゃってビックリ。まずは高効率パッケージの名前はウソじゃないと感動させてもらいました。
内燃機関のみで、ハイブリッドと互角、あるいは以上の効率達成は今後のトヨタのみならず、自動車造りに大きな影響を与えると思う。
こういった新提案に遭遇すると、まずはワクワクする。全長3メートル以下で、2人乗りではないクルマをつくれるか? 一方で、では居住性や走りにおいて、その小ささを感じさせないクルマに仕立てられるか?
もっと『スマート』のようなコミューターをイメージしていたが、意外なほど一人前のクルマとしての機能をちゃんと満たしていた。しかし……
というわけで、クルマとしての出来は予想以上によかったのだけれど、なんでこのクルマ=iQを大きく見せたかったのか良くわからない。
「久し振りに、本気でカッコ悪いクルマに出会った」と言うのがエクステリアの第一印象。特にフロント部分はデザイン以前のカタチだ。ボディカラーも原色やツートーン仕様など、もっと遊びのあるものが良い。
全長がわずか3m未満のボディは、四隅にタイヤを配置するショートオーバーハングのレイアウト。そこに15インチの大径タイヤが装着されているとあって、小さなわりに骨太な印象を受ける。
専用チューンされた V8自然吸気エンジンのキレのいいピックアップは素晴らしい。日産『GT-R』のターボエンジンとは、ひと味違うリニアな回転フィールがある。