プジョー『308』は『307』から全長が80mm、全幅は60mm拡大したというだけあって、随分大きくなった印象は受けるが、車内に乗り込んでみると膝周り、横方向ともにゆとりの空間が得られていて快適性は高い。
「シエロ」と「GTi」に設定されるインテグラルレザーインテリアは見た目、触感ともに上質感満点。立体的なデザインのインパネは、無機質だった先代と比べて凝った造りになっており、このクラスでは最もプレミアムなモデルに仕上がっている。
角が削ぎ落とされたAピラーは視界に掛かりにくい形状だが、やや後方にレイアウトされたドアミラーは、前寄りの女性のシートポジションからだとミラーが手前になり過ぎて見えづらい。
1.6リットル直噴ターボエンジンはDレンジでは緩やかな加速フィールをみせ、Sレンジではクルマの性格が一転し、一気に高回転に持ち込まれていく伸びのいい加速フィールをみせる。粘りのある足とエンジンフィールがマッチして、フランス車らしい心地のいい走りを楽しませてくれる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
藤島知子|モータージャーナリスト
幼い頃からのクルマ好きが高じて、2002年からワンメイクレースに参戦。市販車からフォーミュラカーに至るまで、ジャンルを問わず、さまざまなレースに参戦。2007年にはマツダロードスターレースで女性初のクラス優勝を獲得。現在はクルマの楽しさを少しでも多くの人に伝えようと、自動車専門誌、一般誌、TV、ウェブ媒体を通じて活動中。走り好きの目線と女性の目線という両方向からカーライフ全般をサポートしている。