ステランティスは、成長と収益性の加速を目的とした総額600億ユーロ規模の5カ年戦略計画「FaSTLAne 2030」を発表した。
米国ミシガン州の北米本社で開催されたインベスター・デイにおいて、アントニオ・フィローザCEOをはじめとする経営陣が、戦略を支える6つの中核方針を明らかにした。
■6つの戦略の柱
「FaSTLAne 2030」は6つの柱で構成される。
1. ブランドポートフォリオの戦略的マネジメント強化
2. 共通プラットフォーム・パワートレイン・先進技術への投資
3. 戦略的パートナーシップの提携
4. 生産体制の最適化
5. 実行力の徹底強化
6. 地域・各市場の現地チームへの権限委譲
■60車種以上の新型車を投入
2030年までに全ブランド・全パワートレインで60車種以上の新型車投入と、50車種を超える改良開発を実施する。内訳はバッテリーEVが29車種、プラグインハイブリッド/ハイレンジ航続距離EVが15車種、ハイブリッド車が24車種、内燃機関/マイルドハイブリッド車が39車種となっている。
■中核4ブランドに投資を集中
プジョー・コンセプト8ジープ、ラム、プジョー、フィアットを中核グローバルブランドに位置づけ、商用車事業「Pro One」を含むブランド・商品投資全体の70%をこれらに重点配分する。
クライスラー、ダッジ、シトロエン、オペル、アルファロメオの5ブランドはリージョナルブランドとして各市場での強みを活かす。DSオートモビルとランチアはそれぞれシトロエンとフィアットの管理下で展開し、マセラティはラグジュアリーブランドとして独自路線を維持する。
■プラットフォームと技術への240億ユーロ超の投資
新開発の「STLA One」プラットホーム
今後5年間の研究開発費および設備投資全体の40%にあたる240億ユーロ超を、共通プラットフォーム・駆動システム・新技術へ投資する。2030年までに世界生産台数の50%を3つのグローバルプラットフォームで生産する計画で、新開発の「STLA One」がその中核となる。
AI関連では「STLA Brain」「STLA SmartCockpit」「STLA AutoDrive」の3技術を2027年に導入予定で、2030年には世界販売台数の35%以上、2035年には70%以上への搭載を目指す。
■パートナーシップを拡大
ステランティスが51%を出資するリープモーター・インターナショナルを通じ、スペイン・マドリード工場およびサラゴサ工場での生産能力共有を推進する。東風汽車(ドンフェン)とは中国合弁会社DPCAを通じてプジョーおよびジープモデルを生産するほか、欧州での新たな合弁会社設立も計画する。タタとはアジア太平洋・中東・アフリカ・南米地域での競争力強化を図り、ジャガー・ランドローバー(JLR)とは米国市場での協業可能性を検討する。アプライド・インテュイション、クアルコム、ウェイブ、エヌビディア、ウーバー、ミストラルAI、CATLなどとも技術分野での提携を進める。
■生産効率と実行力を強化
欧州では生産能力を80万台以上削減しつつ、稼働率を現在の60%から2030年までに80%へ引き上げる。車両開発期間は現在最大40カ月から24カ月へ短縮を目指す。コスト面では「Value Creation Program(VCP)」を通じ、2025年を基準として2028年までに年間60億ユーロの削減を見込む。
■地域別の財務目標
北米は売上高25%成長・AOIマージン8~10%、拡大欧州は売上高15%成長・AOIマージン3~5%、南米は売上高10%成長・AOIマージン8~10%、中東・アフリカは売上高40%成長・AOIマージン10~12%、アジア太平洋はAOIマージン4~6%をそれぞれ目標とする。北米には総投資額360億ユーロの60%を配分する計画だ。
フィローザCEOは「FaSTLAne 2030は、長期的かつ収益性の高い成長を実現するための戦略だ。顧客を常にビジネスの中心に据え、人々に愛され信頼されるブランドと製品でモビリティを提供するという使命を果たしていく」と述べた。










