内燃機関のみで、ハイブリッドと互角、あるいは以上の効率達成は今後のトヨタのみならず、自動車造りに大きな影響を与えると思う。
こういった新提案に遭遇すると、まずはワクワクする。全長3メートル以下で、2人乗りではないクルマをつくれるか? 一方で、では居住性や走りにおいて、その小ささを感じさせないクルマに仕立てられるか?
もっと『スマート』のようなコミューターをイメージしていたが、意外なほど一人前のクルマとしての機能をちゃんと満たしていた。しかし……
というわけで、クルマとしての出来は予想以上によかったのだけれど、なんでこのクルマ=iQを大きく見せたかったのか良くわからない。
「久し振りに、本気でカッコ悪いクルマに出会った」と言うのがエクステリアの第一印象。特にフロント部分はデザイン以前のカタチだ。ボディカラーも原色やツートーン仕様など、もっと遊びのあるものが良い。
全長がわずか3m未満のボディは、四隅にタイヤを配置するショートオーバーハングのレイアウト。そこに15インチの大径タイヤが装着されているとあって、小さなわりに骨太な印象を受ける。
専用チューンされた V8自然吸気エンジンのキレのいいピックアップは素晴らしい。日産『GT-R』のターボエンジンとは、ひと味違うリニアな回転フィールがある。
セダン/スポーツ/スポーツワゴンの3モデルからなるマツダ『アテンザ』だが、どのモデルも素晴らしいデザインだ。マツダのデザイン・テイストにはある種の感動を覚える。
ボディが堅剛で、路面からのショックの入力に対してボディ共振が小さい。つまり、室内が静かで居心地がいい。この出来のよいボディを得たことで、旧型よりもソフトなサスペンションに設定してもタイヤの性能を使い切れる。
とりあえずカテゴリーとしてはSUVに属するが、実質的には少しヘビーデューティ感のある乗用車。室内(とくに後席)が広く居住性が向上しただけでなく、細かい部分まで質感が格段に向上している