セダン/スポーツ/スポーツワゴンの3モデルからなるマツダ『アテンザ』だが、どのモデルも素晴らしいデザインだ。マツダのデザイン・テイストにはある種の感動を覚える。
ボディが堅剛で、路面からのショックの入力に対してボディ共振が小さい。つまり、室内が静かで居心地がいい。この出来のよいボディを得たことで、旧型よりもソフトなサスペンションに設定してもタイヤの性能を使い切れる。
とりあえずカテゴリーとしてはSUVに属するが、実質的には少しヘビーデューティ感のある乗用車。室内(とくに後席)が広く居住性が向上しただけでなく、細かい部分まで質感が格段に向上している
『IS』のボディに『GS』や『LS』系のV8エンジンを積んだだけのスーパーセダンではなく、実質的には丸ごと新型といえるほど気合が入っている。新開発のシリンダーヘッドを担当したのがヤマハというのも、マニアの心をくすぐる大きなポイントだ。
ベストパッケージは、3リッターの「ロイヤル」だと感じた。「アスリート」は、かなりサスペンションが締め上げられていて、オヤジが無理して若ぶっているような感じ。
ポルシェ『911ターボ』と比較すると圧倒的にコーナーリングスピードが高い。リヤに重いトランスミッションを配置したトランスアクスルにしたことで、前後のアクティブな荷重バランスが取れていてコーナーへの進入の速度が高いのだ。
最強のライバル三菱『ランエボX』と比較すると、実質的な速さはほとんど互角。しかし、そこに到達するアプローチが正反対なのがおもしろい。
数字だけ見れば、もっと大出力だったり最高速が伸びたりするクルマもあるが、「誰でも、いつでも、どこでも」安心して速く走れるという点では、確実に世界のトップクラスに食い込んでいる。
半世紀を超える歴史を重ねて通算13代目を迎えた『クラウン』。その伝統に忠実に、どこまでユーザーに楽をさせるかを徹底的に追求してある。
ステーションワゴン風味の強いクロスオーバーモデルから、より本格的なSUVデザインへの変貌ぶりに「どうして今さら…」と戸惑ってしまう気持ちが半分。