専用チューンされた V8自然吸気エンジンのキレのいいピックアップは素晴らしい。日産『GT-R』のターボエンジンとは、ひと味違うリニアな回転フィールがある。低回転からもしっかりとトルクがあり、優秀なパドルシフト8速ATのおかげでトップエンドまできっちりと使いきれる。
8速ATのシフトの速さはホンモノで、ATといえどもほとんどの回転域でロックアップ(MTのように直結になっている状態)されるので、アクセルに対するピックアップにもダイレクト感があり、右足を使っての操縦性の変化も具現化できるようになっている。
サーキットでは、かなりサスペンションは締め上げられていて硬さを感じたのだが、その後公道で手にしたときには、初期のサスペンションストロークがマイルドにリセッティングされていた。室内も静かなことからロングドライブも苦にならないだろう。
ハンドリングは、素のFRらしい素直なもので、スタビリティコントロールをOFFにすれば、オーバーパワーなハンドリングに相当なスキルを要求される。が、ONにしておけば安全にかなり楽しめる。LSDを装備していないことが残念。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★☆☆
オススメ度:★★★★☆
松田秀士|モータージャーナリスト
GTでフェラーリを駆る現役レーサー。INDY500やルマンなど海外レースにも積極的にチャレンジする。すでに49歳が目前という年齢ながら、まだまだ走る。モータージャーナリスト活動にも積極的。日本カーオブザイヤー選考委員。