フォルクスワーゲン『ティグアン』は、斜めにスッパリと切り落とされたフロントアンダーフロアーがいかにもオフローダーらしいコンパクトSUVだ。高い視点のドライビングシートからの前方視界はすこぶる良い。
オフロードも走れるSUVだが、オンロード性能もナチュラルでよい。抜群にスムーズなパワステと、しっかり感のあるハンドリングは自然でリニア、癖がない。SUVながら、高速ハンドリングも不満のない走り味だ。 エンジンも1800回転の低回転からトルクがあり、ターボと思えぬ使いやすさだ。0-400m加速は16秒台とスポーツカー並の動力性能で軽快。
一般道路の突起乗り越えでは辛い“ドスン”という衝撃感はなく、総じて乗り心地は良好だが、上下にバウンス感があるのは否めない。 が、その長いホイルストロークを利用してオフロードの凹凸路もびくともしない。ヒルディセントアシストも進化し使いやすい。コンパクトで市街地からオフロードまでストレスなく使える手軽なSUVである。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
津々見友彦|モータージャーナリスト
第1回日本グランプリに出場。日産、トヨタ、いすゞの元ワークスレーシングドライバー。現在はモータージャーナリストとして活躍。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。その他にポルシェクラブ・ドライビングスクールの講師も務める。趣味はハイスピードドライビング、モーターグライダー、パソコン。最近はデジカメと電気自転車に凝っている。