アウディ『A4』は欧州のカンパニーカーとしてのニーズにピッタリハマる、折り目正しさを持ちあわせたセダンだ。このクラスでライバルにあたる、メルセデスの『Cクラス』やBMW『3シリーズ』がやや高価になっている傾向にある。
今度の『A4』、ボクはとくに「アバント」と呼ばれるワゴンにまいっている。知的で繊細で優雅にして強靱。仕立てや乗り心地はいいに決まっている。クワトロの安定感の高さが素晴らしいことも誰もが百も承知だろう。
先代に見られたノーズ重さがきれいに姿を消しノーズの動きがグッと軽快になっている。4WDモデルのクワトロは、前後重量配分の改善だけでなくトルク配分も基本、前40対後60となったことでアンダーステア傾向もグッと少なくなっている。
なんだ、★が多いじゃないかと、下の星取表を見て言われてしまいそうですが、だって、アウディって点の取りこぼしのない荒川静香さんのショートプログラムみたいな作り方なんですよ。上品で正確、完成度が高い。
見た目はBMWっぽい感じもする新型『C5』。でも全長以上にホイールベースを伸ばし、幅を広げる代わりに高さを低めて、かつての『エグザンティア』や『BX』に似たスマートなプロポーションを取り戻している点も見逃せない。
ガラスルーフを持つ5+2シーターワゴンというコンセプトは前作『307SW』と共通。ホイールベースをハッチバックより100mm伸ばしたプラットフォームも、基本は旧型と同じだ。それゆえに、作り慣れているなあという印象。2代目にして早くも定番商品の雰囲気が伝わってくる。
いかにもフォルクスワーゲンらしい実直商品。高めのフロントシートと四角いボディで見切りはバツグンにしやすいし、リアシートは広さも角度も文句なしで、先代から前席優先のパーソナルカー傾向を強めた『ゴルフ』に快適性で差をつけている。
販売的に大成功した初代『フィット』と基本コンセプトに違いはない。だがそれだけに、すべての点で確実に進歩しているのが特徴だ。
2007年から08年に掛けて、ポルシェは急速な勢いでエンジンのガソリン直噴化とトランスミッションの“PDK化”を進めている。PDKは恐ろしくスムーズで、速く変速し、その上とても賢い。
まろやかな乗り味になり、スバル『フォレスター』が高級になった感じだ。これまでの荒さはなく、路面の凹凸をうまくいなしてトロトロンと通過するから乗り心地がよくなった。タイヤが凹凸に当たる音もしないし、いわゆるゴツゴツ感がないから快適なのだ。