『V50』は、かつておじさんグルマであった。ボルボのなかではコンパクトなサイズで、ターゲットは反射神経と感度がいいミドルエイジであるはずなのに、乗ってみるともっさりでがっかり。しかしながら今回、導入された2.0eのパワーシフトは、いきなりしゃきっとしたクルマへの大変身である。
理由は間違いなくパワーシフト。シフトチェンジすると瞬時に反応してくれる。なんだかサスペンションまで別物にグレードアップし、ボディ剛性まで上がったようなレスポンスのよさ。これで反復横飛びをさせたら、さぞかし楽しかろうと想像してしまう。
エンジンは2リットルへと小さくなっているが、トルクがあるのと、やはりパワーシフトがアクセルの踏み込み具合に応じて一番いいギアをすぐに選択してくれるため、むしろ排気量は大きくなったかのような気分だ。
これでお値段は、清水の舞台から飛び降りた300万円を切る設定。VW『ゴルフ・ヴァリアント』の強力なライバル出現といえる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト
女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精力的に取材中するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省安全基準検討会検討員他、委員を兼任。