日産製のVWセダン『サンタナ』は、なぜ生まれたのか【懐かしのカーカタログ】

VW サンタナ(1984年~1990年)
  • VW サンタナ(1984年~1990年)
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最近言われている“ネオクラ”の部類にギリギリ入るかどうか。1984年~1990年にかけて日本市場に投入されたVWのサルーン『サンタナ』も、かつてあったセダンの中では実に懐かしい1台だ。

日産で生産されたVWセダンという特殊なモデル

VW サンタナ(1984年~1990年)VW サンタナ(1984年~1990年)

日本での発売は84年2月。この『サンタナ』で何を置いても触れておくべきは、日産によりノックダウン生産されたクルマだったということ。当時のニュースリリースから引用すると“日産自動車とVWグループは、昭和55年12月、自動車をめぐる国際貿易上の問題解決に積極的に貢献することを目的として、自動車の分野において全般的な協力関係を樹立することに合意、そして、翌56年9月に「フォルクスワーゲン サンタナ」を日産自動車が日本国内で生産する契約を締結した”とある。

実際には、神奈川県にあった日産座間工場に専用の車体生産ラインを新設。エンジン、トランスミッション、ステアリングギヤなど主要部品の供給をVWから受ける形で生産。販売は日産サニー系各販売会社とヤナセ各支店で行われ、当初の月販販売目標は2500台だった。

日産製でもVWらしい仕上がりだった

VW サンタナ(1984年~1990年)VW サンタナ(1984年~1990年)

とはいえクルマは、紛うことなくVW車といったところ。『サンタナ』そのものは2代目『パサート』の4ドアセダンの役割を果たすクルマで、つまりVW車のフラッグシップに位置付けられるモデルでもあった。また当時のアウディ『80』ともプラットフォームを共用する関係でもあり、エンジンを縦置き(4気筒だけでなくアウディ開発の5気筒も設定があった)とするなどの特徴も。

今、カタログを見返しても、フラッグシップながらVWらしい、スノッブでアンダーステートメントながら乗り味が心地よく、もちろんセダンとしての実用性の高い実車の仕上がりぶりが思い出される。

VW サンタナ(1984年~1990年)VW サンタナ(1984年~1990年)

途中87年のマイナーチェンジではランプ、グリルのデザインが小変更されたほか、2リットルの5気筒DOHCを搭載した、フルネームで呼ぶと「フォルクスワーゲン・サンタナ2000 Xi5 アウトバーンDOHC」なるいささか長いネーミングのモデルも追加設定された。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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