アストンマーティン『ヴァルキリー』、1155馬力ハイパーカーに「スパイダー」…ペブルビーチ2021で発表

オープン化に伴いカーボンファイバー構造を改良

ルーフを取り外した状態での最高速は330km/h以上

全世界で85台を限定生産し納車開始は2022年後半

アストンマーティン・ヴァルキリー・スパイダー(ペブルビーチ2021)
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  • アストンマーティン・ヴァルキリー・スパイダー
  • アストンマーティン・ヴァルキリー・スパイダー(右)とクーペ(左)
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アストンマーティンは8月12~15日、米国カリフォルニア州で開催された「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス2021」において、『ヴァルキリー・スパイダー』(Astonmartin Valkyrie Spider)を初公開した。

オープン化に伴いカーボンファイバー構造を改良

同車は、アストンマーティンのハイパーカー、『ヴァルキリー』のオープントップモデルとして開発された。開発チームは、ヴァルキリーのパフォーマンスとコアエクスペリエンスを維持しながら、ラグジュアリーなオープントップモデルとは何かを追求する課題に取り組んだという。

6.5リットルV型12気筒ガソリン自然吸気エンジンにモーターを組み合わせて、最大出力1155psを引き出すハイブリッドパワートレインに変更はない。ヴァルキリー・スパイダーでは、カーボンファイバー構造に改良が加えられ、アクティブエアロダイナミクスシステムとアクティブシャシーシステムのチューニングが全面的に見直された。これらの変更は、ルーフを取り外した状態で走行した時でも、ヴァルキリー本来のパフォーマンスを発揮できるのが目標という。

ヴァルキリー・スパイダーのパフォーマンスを支えているのが、軽量構造と強力なダウンフォースを発生するエアロダイナミクスパッケージだ。ティアドロップ型のコックピットを含むアッパーボディとサイドパネルは、コックピットフロアの両側を走る巨大なベンチュリトンネルを包み込むように輪郭を形成している。これらのトンネルは、大量の空気をアンダーボディに取り込み、リアのディフュフューザーへと送り出す役割を担う。これにより、ヴァルキリー・スパイダーは空力デバイスをボディ上部に追加することなく、240km/h時に1400kg以上(トラックモード)という高いレベルのダウンフォースを生み出すことに成功しているという。アストンマーティン・ヴァルキリー・スパイダーアストンマーティン・ヴァルキリー・スパイダー

ルーフを取り外した状態での最高速は330km/h以上

ヴァルキリー・スパイダーの重量は、オリジナルのクーペモデルと比較して、少しの増加に抑えられた。ルーフを取り外した状態での最高速は330km/h以上、ルーフを装着した場合の最高速は350km/h以上に到達する。アストンマーティン史上、最速のオープントップモデルになるという。

ヴァルキリー・スパイダーのコックピットは、ドライバーに焦点を合わせている。F1マシンからヒントを得て、低い着座位置とし、その着座位置よりも高い場所にペダル類をレイアウトした。6点式シートベルトも装備する。センターリアビューカメラシステムは、フロントとリアのパーキングセンサーとともに、高速と低速走行時にドライバーを支援。インストルメントパネルの上には、カメラ用のディスプレイが設置されている。アストンマーティン・ヴァルキリー・スパイダー(右)とクーペ(左)アストンマーティン・ヴァルキリー・スパイダー(右)とクーペ(左)

取り外し可能な専用の軽量ルーフは、カーボンファイバー製センターパネルとポリカーボネート製ルーフウィンドウで構成された。センターパネルは、ルーフ後端のタブとウィンドスクリーンサラウンドに固定された。その一方で、ルーフウィンドウはそれぞれの側で支えられている。ルーフを取り外す際は、ドアを開け、ルーフを持ち上げて収納する。取り外し可能なルーフパネルとオープントップレイアウトを実現し、新形状のドアを支えるために、カーボンファイバー構造に変更が加えられた。これにより、ヴァルキリー・スパイダーのドアは、車両前方に向けて上部へ跳ね上がるフロントヒンジタイプへと変更されている。

全世界で85台を限定生産し納車開始は2022年後半

これらの構造変更は、アストンマーティンのエンジニアリングチームによって実施された。チームはまた、この新しい構造のテストと検証プロセスの実行にも責任も負う。最初の開発プロトタイプの製作と実地テストに先立ち、パワフルなシミュレーションツールを活用することにより、ヴァルキリー・スパイダーの開発は順調に進んでいるという。

ヴァルキリー・スパイダーは左ハンドルと右ハンドル仕様を設定し、全世界で85台を限定生産する。予約の受け付けと割り当ては、まもなく開始され、最初の納車は2022年下半期(7~12月)の予定、としている。

《森脇稔》

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